持続可能な生活を実現する3Dプリント住宅の建設を開始

WASPとMCAは、持続可能な生活を実現する3Dプリント生息地の建設を開始

2012年に設立されたイタリアの3Dプリンタメーカー WASP(World’s Advanced Saving Project)は、ボローニャに拠点を置く建築会社 Mario Cucinella Architects(MCA)と協力し「TECLA」と名付られたサスティナブルな3Dプリント生息地「エコビレッジ」開発プロジェクト初のプロトタイプの建設を、2019年9月より開始した。

2017年に発行された国連のレポートによれば、現在の世界人口76億人は2100年に112億人に達し、2030年には50億人近くの人間が都市部に住むと予想されている。これに伴い各国政府は、住宅ソリューションに関連する大きな課題に直面しており、都市の形その物の考え方を見直す必要に迫られている。

現在、イタリアのボローニャ近くに建設中のこのプロジェクトは、急激な人口増加や貧困地域で安価に提供可能な住宅の不足など、差し迫った社会問題に対応するための取り組みのひとつとして、2020年初頭に完成を予定している。

丸みを帯びた小屋のような形状を特徴とした構造物は、世界的建材メーカー Mapei のサポートを受けて研究された粘土材料を使用してプリントされる。
建設予定地域で入手可能な土壌を分析して主成分を特定し、完全にリサイクル可能な高度に最適化されたプリント用粘土材料は、WASPのオンサイト3D建設技術である「Crane WASP Infinity 3D Printer(無限3Dプリンタ)」を使用してプリントされる。

組立て式の3Dプリントシステム「Crane WASP」は、直径6.60メートル×高さ3メートルの単一モジュールを組合わせ、建築物の形状や目的に応じて無限に拡張し、コンクリートやバイオセメント、天然素材(リサイクルされた地元の素材)を材料として、様々な建築物を(理論上)無限にプリントすることができる。

「TECLA」は、MCAが設立した専門学校「SOS-School of Sustainability」が実施した、教育、研究、実践を組み合わせた研究をベースに開発されたプロジェクトで、ロンドンの建築協会建築学部の持続可能な環境設計プログラムの修士課程にある学生の支援を受けて、ホームレスの原因とその影響を調査。気候の異なる場所でのケーススタディに基づいて解決策を見出すための技術的進歩の活用方法として、低コストであらゆる気候に対応し、エネルギー効率に優れた住宅モデルを設計。

WASPは、循環経済の原則に基づいた実行可能な建設プロセスを開発する事を目的とした取り組みの視点から、地元で入手可能な素材と最先端の技術を融合した3Dプリントハウスプロジェクトを推進する。


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