ロボットと3Dプリンタで建設された世界初のスマート住宅

デジタル技術で構築した世界初のスマート3Dプリント住宅「DFAB HOUSE」がスイスに完成

世界有数の工科大学、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)の教授8人を中心とした研究チームは、30以上の産業パートナーと共同で、スイス・デューベンドルフに、3Dプリント(Additive Manufacturing)、ロボティクス、デジタルプランニングなどの最先端デジタル技術を駆使して建設された、世界初のスマート住宅「DFAB HOUSE」をオープンさせた。

最先端技術と材料研究機関Empaとスイス連邦水科学技術研究所(Eawag)の研究棟であるNESTビルに設置された「DFAB HOUSE」は、スイス連邦工科大学チューリッヒ校とスイス国立研究能力センター(NCCR)によるデジタルファブリケーション研究による共同プロジェクトのひとつで、デジタルファブリケーションが、従来の建築設計や施工方法にどのような変化をもたらすかを研究するために建設された建物で、大部分がデジタル技術によって設計施工されている。

DFAB HOUSEが設置されたNESTは、様々なビルディングモジュール(ユニット)をドッキングすることが可能な、3つのプラットフォームから構成されたビルで、DFAB HOUSEはその最上部に建設された。

延べ床面積200㎡のDFAB HOUSEには、伝統的な木造骨組構造と異なる、ETHによって開発された新しいデジタル木材構築方法によって組み上げられた木材モジュールが採用されている。
2台の多目的自律型建設ロボットが連携し、コンピューターによって生成されたジオメトリに基づいて、合計487本の木材の加工や組み立てを行い、木材モジュールを構築。

また、屋内には型枠なしのロボットプロセスによって構築された湾曲した鉄筋コンクリート壁や、ボクセルジェット方式の大型砂型3Dプリンタ製型枠から製造された一体型コンクリート天井スラブが組み込まれている。
デジタル技術を駆使し計算されたこの天井スラブは、従来の手法で製造された物と比較して、約半分の重さしかない。

「デジタルファブリケーション」の枠組みの中で、実験室レベルから実際のアプリケーションへと移行したDFAB HOUSEは、全体的な計画および構築プロセスをデジタル化し、柔軟な設計、材料コストの削減、工期の短縮による効率化と品質のコントロールの実用性を証明。

同プロジェクトの中心となる研究チームと産業界パートナーは、EmpaとEawagから招いたゲストを2か月以内にDFAB HOUSEに引っ越しさせ、実生活条件下における新しい建設方法とエネルギー技術をテストする。

スマートホームソリューションを導入したDFAB HOUSEには、digitalSTROM主導の企業コンソーシアムによってインストールされた最新の次世代家庭用電化製品や、音声コマンドウィンドウブラインド、多段階盗難防止システムなど数多くのハイテク機能が含まれ、エネルギー源となる電力を、屋根上に設置した大型の太陽電池モジュールから供給する。

また、すべてのエネルギー消費量を調整して負荷ピークを確実に回避するインテリジェント制御システムなど、多くの省エネ機能を採用しており、シャワーからの温かい廃水は熱交換器を介して熱に変換するシステムや、温水をボイラーに戻すシステムなど、実験的な追加機能がいくつか含まれている。

研究者は「残念ながら、これらの技術はまだ建設現場ではほとんど使用されていません。DFAB HOUSEは、業界と連携した新しいテクノロジをテストし、研究段階から実践への移行を加速することができます。伝統的な建設手法とデジタル建設プロセスは、近い将来、建設業界で広く使用されるでしょう。」と述べている。


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