EXTRABOLD、独⾃開発の新型ヘッドを搭載した12ftコンテナサイズの⼤型3Dプリンタの最新機を発表
EXTRABOLD は、開発している⼤型プリンタシリーズの最新型として、独⾃開発の新型ヘッドを搭載した12ftコンテナサイズの⼤型3Dプリンタ「EXF-12」を発表した。
EXTRABOLDは、2017年より国内で先駆けて⼤型プリンタの開発を続けており、今回発表された新型機「EXF-12」は、前機種「EXF-10」で掲げたコンセプトである「⼀般的な樹脂ペレットを使⽤した低コストの⼤型造形」と「コンテナによる可搬性」を踏襲しつつ、実製品や試作品を問わず、⾃動⾞や建築資材、家具などをはじめとする⼤物パーツの造形をメインターゲットとしている。
また、⾮常時においては、被災地や避難所などの近くに移設し、⾝の回りに必要な家具や⽇⽤品などの造形を迅速に⾏う「モビリティタイプの⼤型3Dプリンタ」として機能するよう開発されている。
独⾃開発のデュアルヘッド
EXF-12は、独⾃開発した樹脂ペレットを使⽤可能なFFF(熱融解積層)⽅式のプリントヘッドを2つ備えたデュアルヘッドを搭載しており、スクリューの⼤型化に取り組む事で前回よりも吐出量を⼤きく、安定して出⼒する事が可能となり、15kg/h(換算値)の吐出量を達成。造形可能サイズは前機種よりさらに拡大し、1700×1300×1020mmを実現した。
コンテナを利用した輸送システム
EXF-12は、国内鉄道輸送等で⼀般的な「12ftコンテナ」に設置可能な条件をベースに設計されており、陸路、航路問わず、必要な場所へ輸送することができる。この機動性の高さを活かし、災害地域などにも迅速にシステムを設置し、運用することが可能となる。
⼤型プリンタを使⽤した様々なプロジェクトを経験するEXTRABOLDは、そのフィードバックを設計に活かしてEXF-12を開発した。EXF-12は、単なるEXF-10の拡⼤版ではなく、構造上の課題や機構を全て⾒直して、全て⼀から独⾃に新規設計した最新機であり、⼯作機器メーカーと協業する事で機器としての精度を追求。出⼒する庫内を⼀つのチャンバーとして囲う事で温度管理の向上を図り、より安定した樹脂の吐出を可能にした。また、細かなユーザビリティを考えたアップデートを⾏っており、今後は協⼒可能な材料メーカーを募り、リサイクル材やバイオプラスチック、機能性樹脂等の吐出にも取り組む予定である。
EXF-12の特性を活かした進⾏中のプロジェクト
⼤阪⼤学プロジェクトENGINEによる「阪⼤フェイスシールドプロジェクト」
⼤阪⼤学⼤学院 医学系研究科 次世代内視鏡治療学共同研究講座(プロジェクトENGINE)を率いる中島特任教授による「3Dプリントフェイスシールド」プロジェクトにEXTRABOLDは賛同・協⼒し、EXF-12の広い造形エリアを活⽤してフェイスシールド用フレームを出力。EXF-12の特性を活かし、僅か1時間で40個のフレームを出⼒した。仮にフル稼働した場合、⼀⽇200~300個程度のフレーム造形が可能となる。
被災地で使用できる「災害時仮設モジュール」
災害など、⾮常事態における住居・家具の喪失は⼤きな問題となる。EXTRABOLDでは、この問題に着⽬し、緊急時に地域の避難所等に提供する事を想定した仮設⽤モジュールを制作。ベッド・椅⼦・ベンチ等、緊急時に必要な⽣活環境の機能⼀式への変形能⼒を備えており、組み合わせ次第ではテーブルなどの製作にも対応できる。
同社では、震災後も仮設住宅で使⽤出来る様な性能とデザインの検討を続けている。
EXF-12 スペック
- 技術:樹脂ペレットを使⽤したFFF(熱融解積層)⽅式デュアルノズル
- 吐出量:2~10mm径ノズル 15kg/h(換算値)
- 想定素材:エラストマー / PP / PLA / ABS / PCABS 汎⽤プラスチック対象
- 造形領域:1700×1300×1020mm
- コンテナによる可搬性
12ftコンテナに格納可能な設計
様々な⼤型造形プロジェクトの実務経験を踏まえた設計 - プラットフォーム
最⼤80℃の安定した温度調整可能なビルドエリア
造形物の取り外しが簡易になるバキュームを備えたビルドプレート - その他
各種センサーによる出⼒状況のフィードバック
遠隔操作機能
ヘッドへの樹脂ペレット搬送経路の改善による詰まり防⽌
「制御ユニットにFANUC製品を採⽤」
既存⼯作機器への拡張ユニット化をめざす
EXF-12に対し既存⼯作機器の容易な追加を実現
仕上げ加⼯までの⼀貫したモノづくり
繊細で多様な制御を⽤いた⾼精度造形の実現
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