コンクリート3Dプリント技術と廃棄木材で作られたオフグリッドの家

3Dスキャンや3Dプリント技術を併用し廃棄木材の活用方法を提案するオフグリッドハウス

ニューヨークを拠点とする建築スタジオ HANNAH とコーネル大学の学生チームは、高精度な3Dスキャニングとロボットベースの3Dプリント技術を使用し、廃棄木材を利用したサスティナブルな構造物を構築する技術のプロトタイプとして、環境に優しいオフグリッドキャビンを、ニューヨーク州北部の「イサカ」の森の中に建設した。


All Photo : HANNAH

Ashen Cabin」と名付けられたこの小さな構造物は、建築用材料として使用できない廃棄予定の安価なアッシュ木材と、ロボットアーム式の3Dコンクリートプリント技術を組み合わせて建築されている。この小さな家は、3Dプリントされたコンクリートで作られた高床式の土台の上に設けられており、このコンクリート部位を不規則な波状の木のパネルで覆っている。

病害虫に侵された木材の多くは、リサイクル分解されるかエネルギー源として燃やされ、大気中に大量のCO2を放出する。環境問題やサスティナブルに焦点を当てた本プロジェクトでは、持続可能な構造物を生産する可能性を実証するため、病気や害虫に侵された木材(このモデルではエメラルド・アッシュ・ボーラーに侵された木材)を、高度な3Dスキャン技術を用いてスキャニング。

3Dスキャンされたデータを元に、ロボットアームを使用して均一の厚さのパネルを切り出し、コンクリート3Dプリンティングされた構造物のインテリアおよびエクステリアに使用している。

様々な3D技術を併用し構築された「Ashen Cabin」の壁面内部は、断熱用フォームで断熱され、3Dプリントされた暖炉を使い、寒さの厳しいニューヨークの冬でも生活できるよう設計されている。

このオフグリッドの家には電力も水道もないが、建築チームはコンクリートで造られたコイル状の小さなキャンプ用流し台をプリントし、屋内へ設置。また、3Dプリント製コンクリートと木材で造られたベンチは、ベッドおよび収納として機能する。

3Dプリント構造物は、型枠を一切使用せず、コンクリートの使用量を大幅に削減しながら構造物を構築することが可能で、視覚的な面白さに加え、より高い生産効率を実現している。


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