Formlabs、COVID-19に対処するための取り組みを公開

Formlabs、新型コロナウィルス感染症に対処するための取り組みを公開

米国3Dプリンタメーカー大⼿ Formlabs は、世界中の医療機関で新型コロナウィルス(COVID-19)の感染症に対処することを目的とした⾃社の取り組み内容と、その結果に関する詳細を公開した。
最新情報 https://formlabs.com/covid-19-response/

 

新型コロナウィルス(COVID-19)感染症への取り組み

2020年を迎えた直後、新型コロナウィルスが世界各地で流⾏し、各国の感染者数が急増。その結果、ウイルスの有無を確認する「PCR(Polymerase Chain Reaction︓ポリメラーゼ連鎖反応)」検査の必要性が⾶躍的に⾼まり、PCR検査に必要な⿐咽頭スワブの数が供給量を⼤きく上回ってしまう事態が発⽣した。
この状況に対しFormlabsは、⽶国の USF Health や、ニューヨーク最⼤のヘルスケアプロバイダである Northwell Health と提携し、不⾜している⿐咽頭スワブを3Dプリントするアイデアに⾄り、1週間後には効率的かつ確実に3Dプリント可能なデザインを完成させ、医療機器の製造に使⽤できる⽣体適合性材料である「Surgical Guide Resin」を使⽤して、⿐咽頭スワブを試験的に製造した。

製造された⿐咽頭スワブは、Northwell Health、USF Health、⽶国フロリダ州の Tampa General Hospital の臨床医によって、安全性や快適性、有効性について検証された。これらの試験をすべてクリアした後、⿐咽頭スワブは患者に使⽤されている。現在同社は、⽶国オハイオ州に拠点を置くFormlabs のFDA 登録施設で、約200台の3Dプリンタを⽤いて最⼤10万本の⿐咽頭スワブを毎⽇製造している。

同様に、新型コロナウィルスに感染し、重篤となった患者に救命治療を提供するために必要な⼈⼯呼吸器も不⾜する事態に⾄っている。この状況に対し Northwell Health は、BiPAP を⼈⼯呼吸器に変換するためのアダプタをFormlabsの3Dプリンタで製造し、完成させた。その後、Northwell Health とFormlabs は、FDA の緊急時使⽤認可(EUA)を取得し、このBiPAP アダプタを使⽤して、病院が睡眠時無呼吸の患者に使⽤するBiPAP マシンを機能的な侵襲型⼈⼯呼吸器に変換するのを⽀援。
FDA からEUA を取得した最初の3DプリンタメーカとなったFormlabsは、FDA登録済みの本社にある150台の3Dプリンタによって、毎⽇3,000個のBiPAP アダプタを製造し、⽶国中の病院および政府機関に配布している。

 

コミュニティネットワークの設立

Formlabsは、新型コロナウィルスに対し、Formlabsユーザやボランティアなどとともに⽴ち向かうべく、2020年3月にコミュニティネットワークを設⽴。このコミュニティネットワークは、新型コロナウィルスの感染拡⼤を防ぐための3Dデータの共有や、必要な場所での製造などを⽬的としており、マスククリップやドアハンドル、通気性フェイスマスクフレームなどが共有されている。
4⽉末時点で、90以上の国や地域において、3,000⼈以上のボランティアが5,000台以上の3Dプリンタを⽤いて、感染拡⼤を防ぐために必要となるパーツを現地で製造し、提供している。


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