ボーイング、航空機部品に3Dプリント部品を採用

ボーイング、航空機にStratasys「Antero 800NA」材料で3Dプリントされた部品を採用

世界最大の航空宇宙機器開発製造企業 ボーイング(Boeing)は、同社航空機の最終用途部品に Stratasys の「Antero 800NA」熱可塑性フィラメントから造られた部品を採用した。

ボーイングは、長年に渡り様々なAdditive Manufacturing(以下 AM)製造技術の活用を進めており、米国の複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下の航空機エンジンメーカー GE Aviation が開発した、300点の3Dプリント部品を備えた新型エンジン「GE9X」を、同社の最新旅客機ボーイング777Xに搭載している。
関連記事:300点の3Dプリント部品を搭載するボーイング777X


全世界的飛行停止処分となった ボーイング737 MAX

「Antero 800NA」材料は、Stratasys の工業グレードFDM方式3Dプリンタ「F900」や「Fortus 450mc」用に設計された高性能PEKKベースポリマーで、高強度、高耐熱性、靭性および耐摩耗性を含む優れた機械的特性を備えており、アルミニウムやスチールの代替品として優れた設計自由度と使いやすさを兼ね備えている。また、耐薬品性とガス放出が少ない超低ガス放出性能は、航空宇宙用途に適している。


Antero800NAを使用してプリントされたエアダクト

ボーイングは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による世界の民間航空機需要の大幅な低下や、飛行トラブルによるボーイング737 MAXの全世界的飛行停止処分などの影響により、経営環境が著しく悪化。2021年末までに1万4000人の人員を削減するとしており、今年4月に発表した1万6000人と合わせ、計3万人の大規模な人員削減を行うことを発表。
航空宇宙大手各社が減産を発表するなか、より低コストで効率よく部品生産が可能なAM製造技術への投資を拡大している。


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