岩国米軍基地のエンジニアは3Dプリンタで部品を開発

米国海兵隊は戦闘機F/A-18 ホーネットの効率的な運用のため3Dプリンタを活用

岩国基地は本州唯一の米海兵隊基地「米海兵隊岩国航空基地(MCAS)」のエンジニアは、3Dプリンタを利用して米国戦闘攻撃機「F/A-18 ホーネット」のメンテナンス部品を適用している。

米海兵隊岩国航空基地のエンジニアは、戦闘機の修理にかかる時間を短縮し、コスト削減を掲げる米国国防総省の目標に対応するため、3Dプリント技術を使用し製造する2つの部品を考案。これらの部品は、飛行体の耐空性を確保するために実行されるすべての作業を網羅し、戦闘機の保守、修理、およびオーバーホールを支援することを目的としている。

3Dプリント製部品には、Marine Aviation Logistics Squadron 12(以下 MALS 12)によって設計されたエンジン出荷キット、およびF/A-18搭載のガトリングガンのベアリングメンテナンス用プラスチック製リングキットが含れている。

MALS 12によって開発されたエンジン出荷キットは、3Dプリントされたプラスチック製ドレンプラグと、エンジンの輸送準備が整ったときにプラグが外れないようにするクリップで構成されており、これまでに比べ大幅にメンテナンス性が向上。これにより、岩国飛行場での作業時間、コストの削減を実現。

エンジニアはまた、F/A-18搭載の20mmガトリングガン砲「M61Aバルカン」のベアリングメンテナンス(グリース塗布)をサポートするための3Dプリント製プラスチックリングを開発。毎分6,000ラウンドを発射することができるガトリング砲は、30,000回転毎にベアリングにグリスアップする必要があるが、これまで2人の海兵隊員が30分掛かっていたこの作業に3Dプリンタで造られたツール(リングセット)を利用することで、作業時間を10分以内に短縮することが可能となった。

M16Aバルカン砲は、空軍のF-16、F-15、F-22や海軍のF/A-18など、アメリカ軍の至る所で使用されているため、各所で活用することができる。また、エンジン出荷用キットは、カスタマイズ性に長けた3Dプリンタの特性を活かし、様々なタイプのエンジンで動作するよう簡単に変更することができる。これら3Dプリント製部品は、国防総省の予算削減に貢献するだけでなく、今後の兵器運用にも大きな影響を与える可能性がある。

先日の記事でも伝えた通り、米海兵隊は、リードタイムの​​短縮およびコスト削減のため、3Dプリント技術の導入を積極的に進めている。


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