米空軍F-22戦闘機に3Dプリント部品を適用

米空軍が戦闘機「F-22 Raptor」にチタン製3Dプリント部品をインストール

米空軍は、運用中の「F-22 Raptor(ラプター)」戦闘機に、チタン製3Dプリント部品を適用したことを明らかにした。米空軍は、Additive Manufacturing(3Dプリント)により航空機の損傷部品交換を迅速化する。


メンテナンス中のF-22戦闘機(写真:US Air Force)

ロッキード・マーティンとボーイングによって共同開発された「F-22 ラプター」は、レーダーや赤外線探知装置などからの隠密性が高い第5世代ステルス戦闘機で、合計187機が米空軍に装備された。当初、750機の配備を予定していたF-22は、開発の遅れや冷戦の終結、高コストなど様々な理由により2011年に生産を中止した。

予算削減を迫られる米軍において、戦闘機などの特殊な部品を調達する際、従来の製造方法による調達は非常に高コストであり、生産が終了したF-22の部品交換や修理に関しても、幾つかの難題を抱えている。この問題に対応するため米軍は、3Dプリント技術の活用に注力しており、今回のF-22戦闘機への適用もその一例となる。

ユタ州にあるヒル空軍基地の技術者は、コックピットブラケットの一部に、SLS方式から3Dプリントされたチタン製部品を適用。この部品は、注文からわずか3日でヒル空軍基地に配達された。
従来の製造方法で造られたアルミ素材の部品をチタン素材に置き換えることで腐食の心配がなくなり、耐久性が向上。今後5種類の部品が検証のため、F-22に実装される予定となっている。


チタン製3Dプリントブラケット(写真:US Air Force)

米軍は、一点から調達可能なオンデマンドAM製造技術を積極的に利用することで、従来の製造方法よりも大幅にコスト削減することが可能となる。また、部品をすばやく製造し取り付けることが可能になることで、戦闘機の修理に必要な活動停止時間を短縮させることができる。


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