貧困地域に学校を3Dプリントするパイロットプロジェクト

慈善団体がマダガスカルに学校を3Dプリントするパイロットプロジェクトを開始

教育インフラストラクチャに投資し、教育機会に恵まれない地域に学習の機会を拡大することで、平和と繁栄を促進するためのプロジェクトを展開する慈善スタートアップ Thinking Huts は、アフリカのマダガスカルにおける教育をより身近なものにするため、3Dプリント技術を活用した学校建設プロジェクトを始動した。

アフリカ南東部沖に浮かぶ巨大な島国マダガスカルは、小学生の60%が就学していない「後発開発途上国」に分類されている開発途上国の中でも特に開発が遅れているアフリカの国のひとつで、多くの子供達に適切な教育環境を提供できていない。
Thinking Huts 代表のマギー・グラウト氏は「争いや貧困など、その主な原因は教育の不足であり。教育はもっとも強力で、人々に勇気と力を与える」として、わずか15歳で Thinking Huts を設立。本プロジェクトでは、建設用3Dプリント技術を活用し、教育へのアクセスが制限されている発展途上地域に、より多くの学校を建設することを目的としている。

計画では、マダガスカルの南東部アノシー地域に校舎を建設開始を予定しているパイロットプロジェクトを通じて、今後5年間の間に、校舎のデザイン、コスト、効果をテストするために使用されるプロトタイプ構造物「Hut v1.0」を建設。
プロジェクトを率いるチームは、地域社会における環境への影響を最小限に抑えるため、フィンランドに拠点を置くコンクリート3Dプリンティングのスペシャリスト Hyperion Robotics と提携し、地元で調達可能な材料と建設用3Dプリンタを利用して、学校を建設する。今後5年間のロードマップでは、机、椅子、テーブルだけでなく、太陽光発電やインターネットを校舎に組み込むことも検討されている。

3Dプリントされた構造物は、平均的な構造物よりもコンクリートの使用量が少なく、建設時間を短縮しながら、インフラストラクチャの完全性をサポート。開発中のセメント混合物は環境圧力に耐えることが可能で、従来のコンクリートと比較してより少ないCO2排出量を実現する。

学校建設に加えThinking Hutsは、教育カリキュラムの開発、地域コミュニティとの提携、健康、ライフスキル、数学、科学、識字率など、多くの課題に関連する教育リソースの提供にも関与する予定で、教師と生徒が授業を共有したり、他の学校と協力したり、より多くのリソースにアクセスできるようにするためのオンラインポータルのサポートも計画。

Thinking Hutsは現在、同プロジェクト遂行のため、寄付による財政支援を求めている。


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