フランス陸軍が大規模な3Dプリントファームを配備

フランス陸軍、スペアパーツ製造用に大規模な軍用3Dプリントファームを配備

フランス陸軍は、フランスのル・マンに拠点を置くAdditive Manufacturing(以下 AM)製造のソリューションプロバイダー HAVA3D と提携し、ヨーロッパ最大規模の軍用3Dプリントファームを開設した。

2020年4月に開設されたこの3Dプリントファームは、新型コロナウィルス(COVID-19)パンデミックによって生じたサプライチェーンの崩壊から影響を受け開設された。
パンデミックの影響により、通常の供給ルートが遮断されたり制約を受けたりすることは、国際的な軍事作戦において避けなければならない事態である。フランス陸軍は、新型コロナウィルスパンデミックによって生じたサプライチェーンの崩壊を受け、フランスのシェール県にある都市ブールジュに、軍の資材や物流訓練を専門とする部隊 Ecole Militaires de Bourges(EMB) ため、50台のデスクトップ型3Dプリンタ「Ultimaker S5」と、2台の産業用3Dプリンタ「ProMaker P1000」を備えた3Dプリントファームを構築。

3Dプリントは、スペアパーツの入手が困難な旧式機器の稼働寿命を延ばしたり、複合材料を使用して既存の機器を軽量化したりするための効率的なソリューションを提供することが可能になる。フランス陸軍はすでに、プロ仕様の3Dプリンタと、エンジニアリンググレードのカーボン配合PAフィラメント「BASF Ultrafuse PAHT CF15」を使用して、防護弾、シール、光学部品、車両用イグニッションボタンなど、様々な部品を製造している。

3Dプリント技術は、部品製造のコスト削減やリードタイムを短縮するだけでなく、開発や輸送に関連するコストも削減することができるとして、各国軍での研究開発が盛んに行われている。

HAVA3Dとフランス陸軍は、2019年2月に兵士達の知見を広めるためのハッカソン「Mili3D」を開催し、50以上のアプリケーションを開発するなど軍用AMの即応性を検証。HAVA3Dはこの取り組みを通じてフランス軍に技術サポートを提供し、4万点以上の3Dプリント部品を供給。2019後半には、フランス軍のマリ、ニジェール、レバノンの遠隔基地で使用する3Dプリンタのテストを支援するなど、関係を深めていた。


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