米陸軍、強靭な部品製造に使える3Dプリンタ用フィラメントを開発

米陸軍、安価な3Dプリンタで超強力な部品を製造できるマルチポリマーフィラメントを開発

US ARMY(以下 米国陸軍)は、一般的なデスクトップタイプFFF方式3Dプリンタで使用できる新しいマルチポリマーフィラメントを開発。この新しいフィラメントに使用される材料は、軍レベルで使用可能な、高強度で高性能な部品を生産する能力を有している。

PLAやABSなど、従来の汎用性フィラメントから造られる部品は強度と靭性に劣っているため、軍用部品に適用するには大きな問題があり、実戦レベルでの使用(導入)に対し大きな妨げになってきた。しかし、今回米国陸軍が開発したこの新しい材料は、これらの欠点を克服したもので、厳しい環境の戦地においてもその運用に耐える堅牢な機械的特性を有した部品を製造することができる。

米国陸軍戦闘能力開発司令部の陸軍研究所で、新興複合材料チームを率いている材料研究エリアリーダー エリック・D・ウェッツェル博士は「この革新的な進歩は、陸軍の遠征にとってとても重要な前進である。必要な部品を必要な場所で迅速に提供することが可能となり、兵士への負担と大幅なコストダウンに繋がる」と述べている。

米国陸軍は、物理的な部品の代わりにデジタル部品データを持ち運ぶことで兵站を簡素化。戦地で必要な部品(一時的に使用可能な部品など)をプリントできるようにしたいと考えてきたが、従来の技術では、高強度な部品を製造する技術を遠征先まで持ち込むのは実用性に欠けていた。しかし、この革新的で斬新な材料を使用することで、戦地に持ち込まれた安価でシンプルな3Dプリンタを使用して、高品質で高強度な部品を製造できる環境を構築することができるようになる。

研究チームは、新しい熱延伸プロセスを用いて、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)と星形のPC(ポリカーボネート)のコアからなるデュアルマテリアル・フィラメントを開発。このフィラメントを使用してプリントされた部品は、24~48時間オーブンで焼鈍(アニール)処理されることでより強度が増し、射出成形されたABS部品に匹敵する延性を持ち、破壊靭性の値は同一のABS部品よりも1500%(15倍)も高い。材料にPCを注入することで熱によるクリープに抵抗し、焼鈍プロセス中に部品の寸法を正確に維持できる。

研究チームは将来的に、焼鈍(アニール)時間を4時間以下に短縮したいと考えている。

同研究室はこの技術に関する複数の特許出願を行っており、3Dプリンティング製造で使用する特殊ポリマー使用の熱延伸フィラメントについては、すでにライセンスが付与されている。米国陸軍はこの技術の開発と実用化を加速させるため、追加の商業パートナーを探している。


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