ドバイが3Dプリンティングに関する戦略的提携を開始

ドバイが3Dプリンティングにおける戦略的アライアンスを発足

アラブ首長国連邦(以下 UAE)を構成する首長国の一つドバイは、UAEの政府機関、学術機関、3Dプリンティング企業の包括的なネットワークを構築し、世界に先駆けて「3Dプリンティング戦略的提携(3D Printing Strategic Alliance)」を発足した。この提携は、ドバイの首長であり「ドバイ・フューチャー・ファウンデーション(Dubai Future Foundation:DFF)」理事会の会長でもあるムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム(以下 シェイク・モハメド)氏によって発表された。

新たに発足された3Dプリンティング戦略的提携は、多くの分野における供給、製品、サービスのネットワークを構築して、より高度な自給率を実現することで、ドバイを3Dプリンティングのリーディングハブとして確立することを目指している。

この提携の一環としてドバイは、3Dプリント技術の開発、試験、展開に特化した地区を設立。新たに設置されるこの特区には、研究センター、国際的な企業、新興企業、応用工学企業を含むビジネスアクセラレータープログラムで構成され、すべてにおいて何らかの形で3Dプリントに焦点を当てたプロジェクトを展開する。またこのハブには、3Dプリント材料や製品を保管・流通させるため、地域最大の倉庫も併設される予定である。
新しい3Dプリンティング戦略的提携は、建設やヘルスケアなどの主要セクターにおけるアディティブ・マニュファクチャリングの採用を加速させることを目的に、2016年に立ち上げられた既存の「ドバイ3Dプリンティング戦略」をベースとしている。この新しいアライアンスには、DFF、ドバイ保健局、ドバイ自治体、ドバイ警察、ドバイ電気・水道局、道路・交通局、ハリファ大学、高等工科大学など、ドバイ国内の複数のグループに加え、国内外の3Dプリンティング企業10社が参加する。

3Dプリンティング戦略的提携の第一段階では、3Dプリンティング生産ラインの創設を通じて、UAEの医療用品や機器の生産能力を高めることに焦点を当て、第一線で働く医療従事者のため、現地生産の医療用品ストックを確立することを目指す。
ドバイ展開されるミッションの一部は、官民連携を可能にし、高度な製造技術を活用することで、新型コロナウィルスパンデミックのような危機的な状況において、様々なセクターからの要求に対応できる戦略的ネットワークを構築する。同アライアンスはまた、3Dプリント製品の承認を促進し、関係者が高いレベルの生産性を達成することを奨励する役割を果たす。

シェイク・モハメド氏は会見で次のように述べている「本日、この重要なセクターで働くすべての事業体を統合するプラットフォームを提供するため、3D Printing Strategic Allianceを立ち上げました。私たちの目標は、この新興技術の採用と利用を加速させ、ドバイや世界のすべての政府、経済、健康、科学分野をサポートすることです。この同盟を通じた3Dプリンティング関連企業との協力により、産業能力を強化し、基本的なニーズを確保して、将来の技術採用に基づいた新たな生産ラインを創出していきます。また、民間企業と共同で戦略的な仮想ネットワークを構築し、危機時における現地ニーズへの即応性を確保して、自給自足を実現していきます。」


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