ロッテルダム市、3Dプリント製歩道橋を発表

オランダのロッテルダム市が循環型複合材を原料とした3Dプリント製歩道橋を発表

オランダのロッテルダム市は、伝統的な建築と近代的な建築、デザイン、テクノロジーの融合を目指す最新プロジェクトの一環として、3DプリントされたFRP製歩道橋を発表した。

この橋は、Royal HaskoningDHV(ロイヤル・ハスコーニング)、オランダの総合化学メーカー DSM、ロッテルダム市の協力により建設された世界初の3Dプリント製軽量繊維強化ポリマー(FRP)歩道橋で、ロッテルダムのクラリンゼ・ボス公園に設置され、今年末まで使用される。リサイクル可能な循環型複合材から構成される3Dプリント歩道橋は、二酸化炭素の排出量を削減し、居住性を促進するというロッテルダム市が掲げる持続可能性(サスティナブル)目標の一部を担っている。

この橋自体は、Arnite(アーナイト)と呼ばれるDSMの繊維強化熱可塑性プラスチックから3Dプリントされ、ロッテルダム市が求めるの強度と持続可能性の要件を満たしている。FRP歩道橋の設計における最高の安全基準に従って建設される橋は、ロッテルダム市のインフラストラクチャの専門家によってサポートされる。また、橋本体に各種センサーを組み込むことで、歩道橋のデジタルツインを実現。搭載予定のセンサー類は、メンテナンスの必要性を予測して最適化し、橋の安全性と耐久性を確保しながら、橋の寿命を延ばすことが可能となる。

DSMのシニアアプリケーション開発スペシャリストであるパトリック・デュイス氏は、このプロジェクトについて「このプリントされた複合材橋は、材料の消耗を最小限に抑え、より持続可能な橋梁への移行を実現可能にします。リサイクル可能で必要な特性を有する循環型材料を原料とすることで、環境に優しいインフラ設計を次のレベルに進めることができます。」と述べている。
また、DHVのビジネス開発マネージャー、モーリス・カルダス氏は「ロッテルダム市とオランダは、特に持続可能性と循環型社会の分野で、インフラのイノベーションの最先端に居ます。橋梁のインフラに新しい複合材を導入したことで、ロッテルダム市はまたしても最先端の都市であることを証明しました。これは、アイデアから実現までのイノベーションを実行するための努力の賜物であり、持続可能性のデザインと橋梁の機能性の新時代を切り開くものです。」と述べている。

さらにロッテルダム市のアセットマネージャーであるモザファル・サイード氏は「ロッテルダム市が、スマートな循環型社会におけるリーダーであることを誇りに思っています。ロイヤル・ハスコーニングDHVとDSMと共に私たちは、より大きな循環性を可能にする熱可塑性プラスチックを使用して、橋梁の持続可能性のフロンティアを押し広げています。この3Dプリント製複合材橋は、二酸化炭素排出量を削減し、居住性を促進するというロッテルダム市の野心的な持続可能性目標に沿ったものであり、テスト、プリント、設置を行った最初の都市となります。この複合材橋は、同市の将来の橋梁生産に持続可能な代替案を提供する可能性があり、私たちは複合材橋の使用を、古い構造物に代わるスマートなソリューションと考えています。ロッテルダム市には現在1000本以上の橋がありますが、私たちは常に限界を超え、より持続可能でメンテナンスやライフサイクルコストを抑えた循環型の次世代の橋を開発しようと考えています。」と述べている。


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