3Dプリント技術で開発された血管縫合剥離トレーニングキット

スワニー、伊那食品工業及び伊那中央病院と連携し3Dプリント技術を用いた血管縫合剥離トレーニングキットを開発

スワニーは、伊那食品工業伊那中央病院との医工連携により、血管の縫合や組織の剥離などのトレーニングが可能な「血管縫合剥離トレーニングキット」を開発し、丸紅情報システムズと販売を開始する。

この血管縫合剥離トレーニングキットは、外科医からの要望と監修を踏まえ、スワニー独自のデジタル設計と最新の工業用3Dプリント技術により開発されたもので、同トレーニングキットに含まれる血管モデルは、実際の血管の質感にきわめて近い形で再現されているため、複雑で繊細な手技が必要とされる血管縫合のトレーニングに活用することができる。また、この血管モデルは自動縫合器にも対応しており、実際の血管切離同様のリアルな切離断端が形成される。

更に、キットには伊那食品工業が製造した「可食性フィルム」という天然素材を原料とする薄いフィルムが同梱されており、このフィルムを少量の水で濡らした血管モデルに巻き付けることで、血管の表面の薄い被膜を再現することができ、血管周囲組織の剥離など、更に細やかな手技のトレーニングに活用することも可能になる。研修機会をより多くの方々に提供するため、価格についても医療現場で導入しやすい価格を実現するとともに、売り上げの一部は医師確保および人材教育のための支援金として、スワニーから寄付される。

開発に携わった伊那中央病院の高砂医師は以下のように述べている。「医療に携わる研修医や医師は従来からとても多忙であり、さらにコロナ禍でトレーニングの機会が減ってしまいました。 このトレーニングキットを多くの研修医や外科専攻医、さらには実際に血管処理を必要とする高難度の手術を行う専門医に活用して頂けることを願っています。」
今後スワニーは、この血管縫合剥離トレーニングキットと、2019年4月に販売を開始した「デジタルモールド・メディカル」による臓器モデルを組み合わせ、より実際の術野に近い環境を再現したトレーニングモデルの作製を目指す。

スワニーとMSYSは、工業用3Dプリンタのユーザーと販売店として長年にわたり関係を深め、近年はデジタルモールドを活用したメディカル分野での医療モデル「デジタルモールド・メディカル」の販売や製造業向けに金型のデジタル保管とデジタルモールドでの部品生産を提供する「デジタルアーカイビングサービス」などでも協業。今回の発表となる血管縫合剥離モデルについても更に連携を深め、MSYSを通じて提供を開始する。

 

血管縫合剥離トレーニングキットについて

  • 販売開始:2020年10月12日
  • 価格:18,500円(税抜)
  • パッケージ内容
    1. 血管モデル 直径Φ10タイプ 3本(壁厚0.6mm、0.8mm、1,0mm)、可食性フィルム 3枚
    2. 血管モデル 直径Φ8タイプ  3本(壁厚0.6mm、0.8mm、1,0mm)、可食性フィルム 3枚
  • 監修・開発支援:伊那中央病院、伊那メディカルシミュレーションセンター
  • 開発・製造:有限会社スワニー、伊那食品工業株式会社
  • 販売窓口:丸紅情報システムズ株式会社、有限会社スワニー
  • 協力:伊那市
  • 問合せ先:3dp@swany-ina.com

関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けする「Newsletter 3DP id.arts」への登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る