世界初、FDAが3Dプリント製マスクを認証

アメリカ食品医薬品局は、僅か1週間で新型コロナウィルス感染症対策用3Dプリントマスクを認証

FDA(アメリカ食品医薬品局)は、医療従事者を新型コロナウィルス感染症(COVID-19)から保護するための規制基準を満たす3Dプリント製マスクを初めて承認。
この3Dプリントマスクは、官民連携による迅速なプロセスにより僅か1週間で認証された。

生物医学に関連する3Dプリントモデルを共有する NIH 3D Print Exchange は、官民パートナーシップとして米国国防総省によって設立および管理されてる製造イノベーション機関のひとつで、Additive Manufacturing造形と3Dプリンティング技術の研究機関 America Makes と協力し、VHA Innovation Ecosystem チームによって開発された3Dプリントマスクに対する承認プロセスを迅速化。NIH 3D Print Exchangeのオープンソースツールを利用して、認証された3Dプリントマスク「モデルID:3DPX-013429」のデータを公開した。

ダウンロードしたマスクデータ

VHA Innovation Ecosystem チームによって開発されたこの3Dプリントマスクは「Autodesk Fusion 360」および「3D Systems Geomagic Freeform」を利用して設計され、パウダーベッドフュージョン方式の3Dプリンタとナイロン素材でのプリントに最適化されており、3D CADファイルや3Dプリントファイルと共に、製造に必要なガイダンスが公開されている。

医療従事者が新型コロナウイルスに感染することを防止するために公開されている様々なタイプの3Dプリントマスクのひとつであるこのマスクは、ウイルスに感染した人が拡散する飛沫やエアロゾルなどの微粒子感染から保護することが可能で、口と鼻の周りにフィットする本体前面には交換式フィルターを備え、ストラップで固定することで機能する。
またこのマスクは消毒して再利用することもできる。

世界的なサプライチェーンの崩壊により、医療従事者用保護具が不足。この問題に対処するためFDAは、4月3日にNIH(国立衛生研究所)、VHA(退役軍人保健局)、FDA(アメリカ食品医薬品局)の間で覚書(MOU)を交わした。官民連携によるこのパートナーシップは、公衆衛生上の緊急事態に迅速に対応するため、3Dプリント製個人用保護具やその他の医療機器部品の情報共有と生産を加速させることを目的に機能するとしている。

新型コロナ(COVID-19)に関連したバイオメディカルプロトタイプを所有するユーザーは、NIHの3D Print Exchangeという既存のオープンソースツールを利用してそれらを提出することが可能で、VHA 3Dプリンティングネットワークを介してFDAと協力し、VHA Innovation Ecosystemによって臨床試験と評価を受けることができる。モデルは、テストおよび審査を経て承認されると、最終製品がサイト上で公開される。データは、医療機器を効果的に生産できる3Dプリンティング企業等と協力して、必要としている医療施設へ配布される。
これまでに、新型コロナ(COVID-19)に関連した3Dプリント医療機器で、臨床使用のための審査を受けたモデルは7つあり、その内のひとつであるこのマスクは、3月27日のプロジェクト開始から僅か1週間で認証された。


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