建設廃材を3Dプリント用材料にリサイクル

解体廃材を環境に優しい3Dプリントコンクリート材料に再生

オーストラリアのビクトリア州メルボルンにある公立大学スウィンバーン工科大学と中国天津市にある河北工業大学の研究チームは、建設廃材を持続可能なリサイクルコンクリート3Dプリント材料に変換することに成功した。

論文によれば、毎年発生する建設・解体廃棄物は、都市の固形廃棄物の半分を占め、これが都市環境を脅かし、天然資源の不足や生態系環境に深刻なダメージを与えており、環境に優しい解決策を探ることが重要な課題であるとしている。そこで研究チームは、砂漠の砂と湖の堆積物を管理するために使われるセラムサイトに、解体現場から排出される廃棄物を組み合わせて、3種類の異なる粒子クラスで低コストの押出成形可能な軽量のコンクリート代替材料を開発。この新しい建設プリント用コンクリート材料は、建設用途に必要な強度と耐久性を備えている。

オランダに建設中に世界最長コンクリート3Dプリント橋

コンクリート3Dプリンティングは、歩道橋、住宅、家具などあらゆる物の製造に利用されているが、従来のコンクリート材料は、プリント後の結合力が弱く、補強が不十分な構造になってしまうため、これまでの事例ではリスクの低い単発の建設プロジェクトに導入されることが多い。
また、一般的なコンクリートのリサイクル率は僅か5%で床タイルや舗装材として使用されることが多いが、研究チームが開発したこの新材料は、天然資源に負担をかけることがなく、建築業界が環境に与える影響を低減するのに役立つと考えられている。

3つの異なるセメント配合構成図

チームは、最適な混合物を特定した後、1.8m×1.8m×1.5mのガントリー3Dプリンタを使い、長さ300mmの10層構造の試験体(混合物)3つを製作。チームによるベストな配合では、91Nの荷重に耐えることができ、リサイクルコンクリートを使用することで各層間の表面積が増え層間接着性が向上。チームが開発した環境にやさしいこの材料は、初期の試験では流動性、機械的特性、接着性が良好であったものの、3つの試験体はいずれも最初の24時間で高レベルの収縮を示し、最も低いセラサイトを含む材料が最も大きな影響を受けていた。
チームは結論として、骨材をさらに追加することでセメントマトリックスに見られる収縮を緩和できる可能性を示唆しているが、潜在的なクラックを防ぐためにはさらなる研究開発が必要であることも認めている。


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