3Dプリント用「セメント」材料

エバープラストが建設・インテリア向けセメント3Dプリント材料を開発

産業用プラスチック加工機械や大型ペレット3Dプリントシステムを製造する台湾の企業  Everplast Machinery Co., Ltd.(以下 エバープラスト)は、3Dプリント用セメント材料を開発した。

プラスチック加工用機械の製造で26年以上の経験を持つエバープラストは、多様な材料への対応、限定的な用途、造形時間の問題など、標準的なFDM方式3Dプリンタの抱える課題に対応するため、独自の大型ペレット式3Dプリンタを開発。同社の台南支店は今年、成公大学と協力してより実用的なセメント製品を生産できる新たな3Dプリント技術を開発した。

昨今、米国や欧州、中国の建設業界ではセメントベースの3Dプリンティング技術への投資が拡大しているが、台湾ではこの分野への投資が殆ど行われていない。その様な状況のなかエバープラストは、同分野への投資がビジネスチャンスであるとして、積極的に3Dプリンティング部門を拡大。 今後の台湾の建設業界、インテリア、アートデザインなど関連業界で、3Dプリンティング技術が活用されると期待している。

エバープラストは事例のひとつとして、ペレットベースの3Dプリンタにセメント材料を使用して、D型の構造物をプリントして、建材やインテリア、特殊な造形に適していることを示した。
また同社は様々な材料を利用した実験を行っていおり、近年話題となっている循環型社会へ対応するため、廃棄物をリサイクルしたプリント材料を開発。同社の3Dプリントシステムで利用可能なリサイクル材料は、ゴミを資源に変換し、環境保護を考慮しながら生産コストを削減することができる。

同社のペレット式3Dプリントシステムは、特許取得した特殊なノズルを利用して、より幅広い材料の高速プリント(フィラメントシステムに比べ、30~70%の高速化)を実現。エバープラストは同社の3Dプリントシステムが、自動車、鋳物、特殊造形、義肢、大型フィギュアなどの分野で大きなビジネスになると期待している。


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