3Dプリント技術で殺傷力を有するガンパウダーの開発に成功

中国の研究チーム、高い殺傷力を有した3Dプリント製ガンパウダーを開発

中国の西安現代化学研究所(Xi’an Modern Chemistry Research Institute)の研究チームは、SLA方式の3Dプリント技術を使用して、機能的な弾丸の推進剤(装薬)を3Dプリントすることに成功した。

弾丸用装薬となる3Dプリント製推進剤は、光重合樹脂、RDX(高火薬)その他の反応性添加剤を混合して作られており、実銃を使った初期テストで、高い殺傷力を示す銃口速度420m/sを達成した。

推進剤は、銃砲身のエネルギー源であり、弾丸の高速発射の原動力となっている。古い黒粉マスケットを利用した弾丸は通常、最大370m/sの銃口速度で銃身から発射されるが、現代のライフルではこの数値が1200m/sを超えることもあり、70m/sを超える物は人の肌を貫通する能力を有している。

推進剤の弾道効率や損傷性を向上させるためには、燃焼表面積を大きくするか、燃焼速度を大きくすることが主な方法となっているが、これは一般的に推進剤を発泡させたり、コーティングしたり、選択的な層でケーシングに詰めたりすることによって行われている。研究チームによると、円筒形のシェルに粒状の推進剤を充填するだけでも効果はあるが、エネルギー放出効率にはかなり限界があるという。そこでチームは、より強力なパンチを詰め込むことができるかどうかを確認するため、3Dプリント技術に注目した。

実験の第一段階では、主に3つの成分からなる推進剤の調合を行い、基材のマトリックスには、硬化性と粘性のバランスに優れた感光性エポキシアクリレートをコア材料として選定。次に爆薬充填材として、平均粒径25ミクロンのRDX微粉末を採用し、最後に高エネルギー可塑剤としてBu-NENAを使用して、粘度を上げることなく推進剤全体のエネルギー含有量を増加させることに成功した。

新たに調合された爆薬のUV安全性が確認された後チームは、直径約40mmの薄い円盤状のオブジェクトを3Dプリント。このオブジェクトは穴の開いたハニカムのような構造をした厚さ約5mmの構造物で、弾丸の薬莢に似た形状をしている。

研究チームは最終的な実銃テストを実行する前に、高速度カメラとバレルの内部圧力計をセットアップ。円筒状のスタックを30mmの銃身に装填し、200gの質量を弾丸として使用した発射テストの後、1.46というかなり高い圧力指数値と420m/sの銃口速度を計測。高い殺傷力を有することを確認した。

この研究の詳細は「Fabrication and investigation of 3D-printed gun propellants」と題された論文に掲載されている。


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