抗菌作用フィラメント、ヒトコロナウィルス対する有効性を証明

Copper3Dの抗菌作用フィラメント、ヒトコロナウィルスに対する有効性を検証

3Dプリント用抗菌材料開発に特化した材料メーカー Copper3D は、同社の3Dプリンタ用素材によるヒトコロナウィルス感染症への影響を検証し、短時間でコロナウィルスを減少させる効果があることを示した。

2018年、世界最大の銅鉱石生産国であるチリのサンティアゴで設立された Copper3D は、数年前より医療用途に向けた材料の開発に取り組んでおり、新型コロナウィルス・パンデミックによる需要拡大を受け急速に成長。現在、弊社を含む世界50カ国以上のグローバルネットワークを構築し、同社の抗菌作用フィラメントを販売している。Copper3D 関連商品はこちら


抗菌作用フィラメント『PLACTIVE AN1』

Copper3D は過去2年半の間に、人間に有害な様々な微生物を除去できる高性能な「活性物質」の研究を行っており、HIVのような強毒性のウイルスに対する有効的な素材の可能性を検証する取り組みなどを行っている。
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Copper3D のメディカルディレクターであるクラウディオ・ソト博士率いるチームは「EN14476 + A2」欧州統一規格に従って、ヒトコロナウイルス229E株(HCoV-229E)に対するCopper3D全製品に含まれる添加剤(Cuprionix® 添加剤)の抗ウイルス能力をテスト。添加物は、最初の30秒から非常に高い抗ウイルス効果を示しており、1時間未満でコロナウイルスのウイルス負荷を+99.9%減少させた。このプロセスは非常に迅速であり、最初の30秒で60.189%(log 0.4)のウイルス負荷の急速な減少を確認。その後5分以内で90%の減少(Log 1)が記録され、60分近くで99.975%のウイルスの減少(Log 3.6)で定常状態に達した。

またこの一連の検証で、Cuprionix添加剤が細胞毒性のレベルを示すことなく、人や動物と接触する用途にも適した安全性を有していると結論づけることができた。


コロナウイルスの模式図:Copper3DによるCuprionix®添加剤の作用機序

中東およびアフリカ地域最大の石油化学品販売業者である Petrochem は、Copper3Dと提携して「Cuprionix」の名前を冠した新会社を設立。Cuprionixの抗菌添加技術をベースに、新材料およびソリューションを開発・製造し、グローバル展開することを計画。


Copper3Dで3Dプリントされた抗菌アプリケーション

Petrochem の事業開発ディレクターであるローハン・メータ氏は、新会社の将来について次のように述べている「私たちにとって、Copper3Dと一緒に仕事ができることは名誉なことであり、彼らのイノベーションを短期間で世界規模に展開できることを理解しています。石油化学業界は、偉業を成し遂げることができるインテリジェントな材料を開発するため、このようなイノベーションを取り入れる必要があると考えています。私たちは、このような抗菌性添加剤、材料、そして命を救うソリューションの要求が世界的に拡大しており、この新しい会社が大きな変化をもたらし、多くの産業にポジティブな影響を与え、何百万人もの感染症や死亡者を効果的に排除することができる機会である信じています。」

3Dプリンタ用材料専門ショップ 3DFS id.arts では、Copper3D の主力製品である2種類の抗菌作用フィラメントを販売中。

抗菌作用フィラメント『PLACTIVE AN1』
抗菌作用柔軟性フィラメント『MD FLEX』


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