- 2021-6-5
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デルフト工科大学と建設用3DプリンタメーカーがESAと協力し、火星用地下住居を開発
デルフト工科大学(TU Delft)と欧州宇宙機関(ESA)は、大型建設用3Dプリント技術を開発するオランダの企業ヴェルティコ(Vertico)と提携し、ベルティコの最先端3Dプリント技術を用いて、火星地下基地(居住施設)のコンセプトモデルを発表した。
この地下構造物は、デルフト工科大学の准教授でロボット建築技術を研究するHenriette Bier氏率いるチームによるプロジェクトの一環として進行しており、ESAがその研究資金を提供。
火星の地表に人間が居住可能な構造物を建設する場合、平均表面温度マイナス63度(最低気温マイナス140度)という過酷な環境や放射線から居住者を守るため、数メートルの壁厚を有する構造物が必要となる。デルフト工科大学が進めるこのプロジェクトでは、地面を掘削して、放射線の影響を受けずに外気からも断熱された地下居住施設を造ることを提案。掘り出した材料に液体硫黄を混ぜてプリント用のコンクリート材料を造り、建設用3Dプリンタを利用して、掘り出した場所に居住可能な構造物を建設するとしている。
ヴェルティコはこのプロジェクトの実現性を示すため、スライシングやロボットプリント技術と専門知識を駆使して、デルフト工科大学が作成した構造物の最適な形状を3Dプリント可能なプロトタイプへと変換。デルフト工科大学はこの技術を利用して、火星にある天然素材を居住地の建設に利用したいと考えている。
昨今、コンクリート3Dプリント技術は幅広いプロジェクトに活用されており、自動化による材料やCO2の削減、人員、物流の軽減による費用対効果の高い製造プロセスとして注目されている。今回発表されたこのプロジェクトは、ヴェルティコのコンクリート3Dプリント技術の高さと将来への可能性を示すものでもある。
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