クラボウ建設用3Dプリンティング事業を開始

クラボウ、建設業界の生産性向上やデザインの多様化ニーズへの対応を目的とした建設用3Dプリンティング事業を開始

日本の繊維製品メーカー大手クラボウ(倉敷紡績)の化成品事業部は、建設用3Dプリンティング設備を寝屋川工場に導入し、セメント系材料を用いた小型~中型の立体造形物の受注生産を開始。3Dプリンタの特長である短時間での成形と意匠性の高さを生かし、商品開発における試作サイクルの短縮化を支援するほか、外構材や景観材をはじめとする幅広い造形物を製作し提供することで、建設業界の生産性向上やデザインの多様化ニーズに応える。

3Dプリンタで製作した外構材(門塀)

近年、住宅購入者の趣味・嗜好が多様化し、こだわりや個性を住宅の外装デザインで表現するニーズが高まっており、商業施設などでも魅力ある空間演出のため独自性の高い装飾を施すトレンドが強まっている。使用する建材においても意匠性の高いカスタマイゼーションが求められているが、建設業界においては人手不足問題などにより省人化・省力化が喫緊の課題で、生産性の向上が重要なテーマとなっている。このようななか、建設業界では型枠を使わず様々な形状の立体造形物を短時間で成形できる3Dプリンタに対する関心が高まっており、海外ではすでに住宅建築などにおいて活用が進んでいる。

同社は、従来よりセメント系材料を使用した住宅外装化粧材や外構材の開発・販売を行っており、その分野で培った材料配合や押出成形の技術を3Dプリンタで活用すべく、新規事業の検討を行ってきた。その結果、欧州で多くの建設用3Dプリンティング案件の製作実績を持つフランスのスタートアップ企業 XtreeE(以下、エクストリー)製の3Dプリンタを導入し、材料選定や3D-CADの設計技術等の習得を経て、このたび3Dプリンタによる造形物の受注・製作体制を構築した。

寝屋川工場に導入した3Dプリンタ

すでにゼネコンなどから要望を受け、住宅や商業施設・公共施設向けの外構材やベンチ、モニュメントなどの景観材の製作をスタートしており、今後3Dプリンティングの実績を重ね、3Dプリンティング技術のさらなる向上を図り、よりサイズの大きな中型~大型の造形物や高強度を要する造形物への対応力を高めるとともに、需要に応じて3Dプリンティングの設備増設やオンサイト(施工現場)でのプリンティング体制の構築を目指す。将来的には、セメント系/非セメント系を問わず新規材料の開発によって製作可能なデザインの幅を広げるほか、土木・インフラ分野などへの展開も図ると同時に、海外への事業展開も目指すとしている。

プレスリリース


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