NASAはロケット部品用3Dプリント合金材料を開発

NASA、3Dプリントロケット部品に使用するための新しい銅ベース合金材料を開発

アラバマ州のNASA Marshall Space Flight Center(MSFC)とオハイオ州のNASA Glenn Research Center(GRC)の研究チームは、高強度で熱伝導率に優れた3Dプリンティングロケット部品用の新しい銅合金材料「GRCop-42」を開発。

2014年、NASAのエンジニアは「GRCop-42」の前身となる「GRCop-84」を開発。MSFCは、3DプリントされたGRCop-84コンポーネントの試験の後、同じ強度でより高い熱伝導率性能を有する材料として、GRCop-42の開発をスタート。

NASAの研究チームは、2018年を通して新材料に関するテストを実施し、この材料の性能の高さを証明。改良が加えられ、より高性能となった銅合金材料GRCop-42は、Concept Laser M2 3D printerなどのハイグレードなメタル3Dプリントシステムを使用して、燃焼室ライナーや燃料噴射装置フェースプレートなどの3Dプリント部品を製造。

GRCop-42から製造された3Dプリント製金属部品は、高い熱伝導率、優れた耐クリープ(変形)耐性、および高温での強度を示すことが証明されており、NASAの研究チームは現在、更に広範囲なテストを行い、GRCop-42に最適なパラメータセットを検証している。


NASA Marshall Space Flight Centerで実施された3Dプリントノズル高温燃焼試験

リードタイムの短縮やコストの削減、そして何より軽量化が求められるロケット部品において、軽量化と強度をバランスよく保ち高効率に部品製造が可能な3Dプリンティング技術の適用範囲は、今後も更に拡大すると予想されるが、適用部位に最適な性能を有する材料の開発が重要となる。


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