3Dプリント技術で衛星用燃料タンク製造

ロッキード・マーチンは衛星搭載用巨大燃料タンク部品を3Dプリント技術で開発

米国の航空宇宙産業大手Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)は、衛星に搭載される高性能な高圧燃料タンク部品の3Dプリント技術を開発。エンジニアチームは、複数年に渡る研究で3Dプリント製燃料キャップをテストし、NASAの基準を満たすことに成功し、開発プログラムの最終ラウンドを完了した。

燃料タンクは、キャップとして機能する2つのチタン製3Dプリントドームと、伝統的な手法で製造されたチタン製シリンダーの3つの部品から構成されており、各ピースを溶接して完成する。

衛星用燃料タンクは、宇宙空間の厳しい環境下で、10年以上に渡る長期ミッションに耐える強度を有しながら軽量でなければならない。このため素材には軽量高強度なチタン素材が使用されるが、従来の手法(鍛造)で直径4フィートの燃料タンクキャップを製造する場合、1年以上の製造期間と材料の80%が無駄になってしまうという課題があり、タンク中で最も難しく高価な部品となっていた。

そこでロッキードのエンジニアチームは、デンバーの会社施設にある電子ビームAM装置(Electron Beam AdditiveManufacturing)を利用してタンク部品の製造方法を研究。燃料漏れなどに繋がる欠陥を防ぎ、NASAの要求する性能と信頼性を満たすために度重なる試験を実施してきた。

こうして完成した直径46インチの3Dプリント製タンクは、74.4ガロンの液体燃料を充填する大きさとなり、LM 2100衛星バス用標準部品として提供される。


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