3Dプリンタを活用したバター製造方法

レオロジーによる射出シミュレーションや3DCADと3Dプリンタを活用したバター製造方法

ナショナルデパートが展開する食のコスメティックブランド「CANOBLE(カノーブル)」は、バター製造のために3DCADと3Dプリンタを活用したインジェクションモールド(射出成形)冷凍製法を開発した。

 

東京工場R&Dにて3Dプリントを活用したバター製造ラインを開発

カノーブルは、日本国内におけるフレーバーバターの先駆者として、2018年11月発表の香るバター「ブールアロマティゼ」シリーズを展開し、以後多種多様なフレーバーを展開。
バターに果汁や具材類をふんだんに練り込みながらも、風味・食感・食後感にバターの余韻が残るという「ブールアロマティゼ」の特徴は、カノーブルブランドを支える技術として確立し、従来からあるフレーバーバターのイメージを覆してきた。しかし、バターと果汁という「水と油」は、本来混ざり合わない素材の組み合わせであり、手作業でバターと果汁を混和させるカノーブルの製法は、熟練の技術と体力を必要とし需要の増加や販路の拡大に製造能力が対応しきれていないという問題が顕著でなり、新しい製法の開発が急務となっていた。そのような状況の中、同社の製造能力と食味を向上を同時に実現させる製法として、3DCADと3Dプリンタを活用したインジェクションモールド(射出成形)冷凍による新たなフレーバーバター製造の方法を開発。新製法によるバター製品は、10月中より順次投入する。

 

従来のパドル成形

カノーブルのブールアロマティゼは、木製パドルを使用して手作業でバターを練り上げ、幾重にも折りたたみながら叩き込み、バターと果汁などの水分を混和する。木製パドルを使用する大きな理由は、木の多孔質な表面にバターの余分な水分を吸収させてバター生地を「引き締める」ことで独特のなめらかな口当りを引き出すため。しかし、水と油など本来混ざり合わない液体を手作業で混和させるには時間も手間もかかり、ヒビや割れや生じることが多く、均一な形状に成形するためには時間と体力を要するために作業スタッフにかかる負担も重く、働き方改革の実現のためにも問題解決の必要があった。


モールド(成形型)作成のための3Dプリンタで造形したバター原型

 

新たに開発した3Dプリント活用による射出成形冷凍

新製法で使用するモールド(成形型)は、3Dプリンタで造形した原型をもとに製作。レオロジー(流動学)を応用した射出シミュレーションを行い、3DCADでモデリングしたデータを3Dプリンタで原型を造形し、食品レベルのシリコンを用いてモールドを製作。
果汁などの水分を混和させたバターをモールドに射出し、細かな振動を与えて冷やし固めることで、手作業でおこなっていた混和と同様の効果を得ることができ、またバター成形と生地内部の混和の均一化を同時に行うことが可能になるため、従来の製法比べ大幅な効率化を可能になった。
この製法で得られたバターは手作業で整形したものよりも口溶けや風味が良く、従来製法のバターよりも溶けにくいという結果が得られる。

 

今後の展開について

モールド原型の製作に3Dプリンタを用いることで短期間で設計から製造ラインの組み換えまで行えるため、用途に応じた形状のバターの製造が可能となり、オリジナルPB製品やOEMの受託に活用してく予定。また、3Dプリンタを活用して原型を造形することで、手作業で作ることが出来なかった複雑な形状や美匠に優れた様々なデザインのバターを製造することが可能となる。
今後は、AIやジェネレーティブデザインによる形状の最適化など、様々なテクノロジーを駆使して社会の要求にフィットした新たなグルメ製品の開発に展開予定。


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