3Dプリンタで造るクッキー抜型に最適な材料は⁈

2月14日はバレンタインデー!3Dプリンタで造るクッキー抜型に最適な材料は⁈

3Dプリント型で成形したクッキー

2月14日のバレンタインデーには、手作りクッキーをプレゼントされる方もいらっしゃると思います。最近では、ご家庭などでも気軽に導入できるようになった安価な3Dプリンターが多数ラインアップされ、3Dプリンターを用いたオリジナルデザインのクッキー抜型やスタンプ型を造られる方も増えています。

6万円台で購入可能な AnkerMake M5C

弊社が運営する3Dプリンタ用フィラメント(材料)専門ショップ 3DFS id.arts にも、バレンタインデーやクリスマスなど、お菓子作りの機会が増える時期になると以下のような問合せを多数いただきます。

お問い合わせ内容の一部

  • 3Dプリンターでクッキー抜型を造る際、どんな材料を使えば良い?
  • 3Dプリンターで造ったクッキー抜型を使っても、衛生面に問題はない?
  • 食品安全基準に準拠した材料はある?
  • 使用後の抜型は洗剤で洗える? 食洗器に入れても大丈夫?

ご家庭内での利用が前提であれば、個人の責任の範囲内で好きな材料を使い、クッキー型などを制作しても問題ないと思いますが、3Dプリンターで造ったクッキー型などを販売する際は、食品衛生法で「器具」と定義される条件をクリアする必要があります。さらに、3Dプリンターで製作した抜型を購入された方が、どのような環境下で使用するか分からないため、使用方法に関する十分な説明(注意事項)と合わせ、強度、耐熱性、耐薬品性などの性能面にも配慮が必要となります。

材料選びの基準

安価で使い勝手の良い汎用素材である「PLA(ポリ乳酸)」をクッキー型として利用される方も多くいらっしゃいますが、PLAは熱による影響を受けやすく、40℃を超えるような熱が加わる条件下では、型自体が変形する場合があります。
下の写真は、PLAと同じ汎用素材のひとつである「ABS」素材で3Dプリントしたクッキー抜型です。ABS素材で3Dプリントした抜型は、使用後に食洗器で繰り返し洗浄しても、変形や歪み、また異臭などを発することもなく、市販のプラスチック製クッキー抜型と同じように利用できています。

繰り返し食洗器で洗浄した3Dプリント抜型(ABS製)

また、高濃度のアルコールや薬品に触れる用途で使用する際は、耐薬品性に優れた材料(後述参照)を選定するなど、特別な注意が必要です。

3Dプリンタ用フィラメント(材料)専門ショップ 3DFS id.arts では、個人・商用を問わず、安心して利用いただける材料として、FDA(アメリカ食品医薬品局)の規格に準拠した製品など、食品対応材料を多数ラインアップしています。
食品対応製品の一覧はこちら

※ 安全基準に準拠した材料も、その特性が米国や欧州などの生産国の定める基準をクリアしているというだけで、具体的な使用方法について個別に検証が行われている訳ではないことを予め理解しておく必要があります。

FDAに準拠した材料のひとつ 食品対応フィラメント『HDglass

クッキー型造りにおススメのフィラメント

3DFS id.arts では、クッキー抜型造りに適した材料として、食品対応製品を多数ラインアップ。お試し用の少量サンプルもご用意しています。

  • 食品対応を代表する材料HDglass
    FDAに準拠したPET系食品対応フィラメント
  • 食器洗浄機や電子レンジにも対応『Centaur PP
    電子レンジや食洗器にも対応し、耐磨耗性、耐薬品性に優れたPPフィラメント
  • 食品対応生分解性フィラメントNONOILEN
    食品対応で耐熱性にも優れた食洗器対応のPLAベースフィラメント
  • 食品対応ナイロンAdura FDA
    食品加工・包装に使可能なFDA規制をクリアしたナイロン系フィラメント
  • 食品加工向けフィラメントPA Blue Metal Detectable
    異物探知可能な青色ポリアミドをベースにした食品加工業界向けフィラメント
  • 食品衛生法適合水洗いレジンエキマテ
    アレルギー物質フリーで食品衛生法適合の3Dプリンタ用レジン
  • PLAやABSの短所を補う万能型材料nGenシリーズ
    食器や哺乳瓶などの食品用容器のために開発されたコポリエステル系フィラメント
  • PLA系素材では最高の造形品質『uDiamond PLA
    層間接着性が高く、高剛性と耐熱性に優れたナノダイヤモンド混合PLAフィラメント

食品衛生法適合水洗いレジン『エキマテ』

3Dプリンタ本体も清潔に!

材料選びに加えて重要なのは、3Dプリンター本体の衛生管理です。いくら材料の安全性に配慮していても、繰り返しの使用で他材料の残留物が残っている汚れた3Dプリンターを使いクッキー型を造っていては意味がありません。より衛生面に配慮するのであれば、3Dプリンター自体のメンテナンスや製造環境の整備も必要になります。

使用中の3Dプリンタの洗浄に適した3Dプリンタの洗浄用材料Dyna-Purge 3D Clean

ノズルから残留物を排除するための洗浄専用材料「Dyna-Purge 3D Clean

また、以前紹介した記事「3Dプリンタから放出される有毒粒子を特定する研究」でもお伝えした通り、3Dプリント中に放出される化合物の中には、人体に有害な物質が含まれることが複数の研究機関によって証明されています。このため、安全性に配慮するのであれば、プリントする材料自体の成分にも注意を払う必要があります。何が含まれているか分からない安価な材料を使用する際は十分な注意が必要です。

クッキー抜型造りにおススメの3Dプリンター

FFF造形技術と最新機能が融合されたFLASHFORGEの「Adventurer」シリーズや、高速プリントに対応した「AnkerMake」シリーズなど、HDglass(PETG)材料を用いた造形にも最適。

3Dプリンタ初心者にも最適な高速3Dプリンター「AnkerMake M5

安定した造形に必要な加温機能(ヒーター)を搭載し、「エキマテ」の使用にも適した12K解像度の光造機「UniFormation GKTWO 12K

上述の通り、個人の責任の範囲内で楽しむ際には、どんな材料やプリンターを使用しても良いですが、衛生面や安全性に対して責任を負う必要な環境下では、用途に適した材料や3Dプリンターを選択しましょう。

3D Food Printing(3Dフードプリンティング)」に特化した各種サービス

id.arts(アイディーアーツ株式会社)では、3Dフードプリンターの販売、デモンストレーション、材料等の開発やコラボレーション、コンサルティングなど、3Dフードプリンティングに特化した様々なサービスをご提供しています。
詳しくはこちら:https://idarts.co.jp/3dp/3d-food-printing/


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