- 2019-2-14
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2月14日はバレンタインデー!3Dプリンタで造るクッキー抜型に最適な材料は⁉
本日2月14日はバレンタインデーですが
「バレンタインのお菓子は手作りで!」という方の中には、チョコレート菓子ではなく、手作りクッキーをプレゼントされる方もいらっしゃると思います。
最近では、家庭などでも気軽に導入できるようになった安価な3Dプリンタが増え、先日ご紹介した「ニンジャボット・クッキー」のように、クッキー型専用をうたう3Dプリンタも販売されるなど、3Dプリンタを使って制作した、オリジナルデザインのクッキー抜型(クッキーカッター)の利用が増えてきたように感じます。
弊社が運営する3Dプリンタ用フィラメント(材料)専門ショップ「3DFS」では、バレンタインデーやクリスマスなど、お菓子作りの機会が増える時期、以下のようなお問合せをいただく機会が増えてきます。
お問い合わせ内容の一部
- 3Dプリンタでクッキー抜型を造る際、どんな材料を利用すれば良いですか?
- 3Dプリンタで造ったクッキー抜型を使っても、衛生面などに問題はありませんか?
- 食品安全基準を満たした(準拠した)材料はありますか?
- 使用後の抜型は、洗剤で洗えますか? 食洗器に入れても大丈夫ですか?
- 3Dプリンタで造った物(クッキー抜型など)を子供が口に入れてしまっても大丈夫ですか?
ご家庭内での利用が前提であれば、個人の責任の範囲内で、好きな材料を利用して制作しても問題ないと思いますが、安価で使い勝手の良い一般的なPLA(ポリ乳酸)材料は、熱による影響を受けやすく、40~50℃を超えるような熱が加わる条件下での使用では、変形する可能性があります。また、高濃度のアルコールや薬品に触れる用途での使用については、耐薬品性に優れた材料(後述参照)を選定するなど、特別な注意が必要です。
下の写真は、PLAと同じ汎用素材のひとつABS(一般的なプラスチック製品に使用される樹脂)で3Dプリントしたクッキー抜型です。
ABS素材で3Dプリントした抜型は、使用後に食洗器で繰り返し洗浄しても、変形や歪み、また異臭などを発することもなく、市販のプラスチック製クッキー抜型と同じように利用できています。
繰り返し食洗器で洗浄したABS製3Dプリント抜型
ただしこれは個人利用を目的とした場合の話しで、3Dプリンタで作成したクッキー型を販売するとなると、異なる対応が必要になります。
3Dプリンタで製作した抜型を購入された方が、実際どのような環境で使用するか分からないため、使用方法に関する十分な説明(注意事項)と合わせ、強度、耐熱性、耐薬品性などの性能面にも配慮が必要となるでしょう。
また、以前紹介した記事「3Dプリンタから放出される有毒粒子を特定する研究」でもお伝えした通り、3Dプリント中に放出される化合物の中には、人体に有害な物質が含まれることが、ジョージア工科大学の研究チームによって照明されています。このため、安全性に配慮するのであれば、プリントする材料自体の成分にも注意を払う必要があります。何が含まれているか分からない、安価なフィラメントを使用する際には十分な注意が必要です。
3Dプリンタ用フィラメント(材料)専門ショップ「3DFS」には、FDA、RoHS、REACHなどの規制に準拠した材料(後述参照)を中心に扱っているため、より安心して利用していただけます。ただし、これら安全基準に準拠した材料も、その特性が米国や欧州の規制に準拠しているというだけで、具体的な使用方法に関して個別に検証が行われている訳ではないことを予め理解しておく必要があります。
FDA、RoHS、REACHなどに準拠した材料のひとつ。食品対応フィラメント『HDglass』
3Dプリンタ本体も清潔に!
また、いくら材料の安全性や衛生面に配慮していても、繰り返しの使用で他材料の残留物が残っている汚れた3Dプリンタを利用していては意味がありません。より衛生面に配慮するのであれば、3Dプリンタ自体のメンテナンスや、利用環境の整備も必要になります。
ノズルから残留物を排除するための洗浄専用材料「Dyna-Purge 3D Clean」
クッキー型造りにおススメのフィラメント
クッキー抜型造りに適した材料として、3DFSでは以下の材料を推奨しています。お試し用の少量サンプルも用意しているので、用途に応じて選択し、お試しください。
- 食品対応を代表する材料『HDglass』
RoHS、REACH、FDAなどに準拠したPET系食品対応フィラメント - 食器洗浄機や電子レンジにも対応『Centaur PP』
電子レンジや食洗器にも対応し、耐磨耗性、耐薬品性に優れたポリプロピレン原料のフィラメント - PLAやABSの短所を補う万能型材料『nGenシリーズ』
食器や哺乳瓶などの食品用容器のために開発されたコポリエステル原料のフィラメント - PLA系素材では最高の造形品質『uDiamond PLA』
層間接着性が高く、高剛性と耐熱性に優れたナノダイヤモンド混合PLAフィラメント - ハードな使用に最適『PC-Plus/PC-MAX』
100℃以上の高温にも耐えるポリカーボネート原料フィラメント - 3Dプリンタの洗浄用材料『Dyna-Purge 3D Clean』
使用中の3Dプリンタの洗浄に適した洗浄用材料
※ フィラメントショップ「3DFS」を運営するid.arts(アイディーアーツ株式会社)は、FormFutura、3D-Fule他、欧米大手フィラメントメーカーとパートナー契約を締結した正規販売店です。
クッキー抜型制作におススメの3Dプリンタ
ABSやPLAの他、上記した「HDglass」などのサードパーティー製材料にも対応したヘビーユーザー向け小型デスクトップタイプ3Dプリンター『MOMENT S』
PLAに絞り込んだ造形であれば最適な、7万円以下で購入できる初心者向け3Dプリンタ『Adventurer 3』
上述の通り、個人の責任の範囲内で楽しむ際には、どんな材料やプリンタを使用しても自由ですが、衛生面や安全性に対して注意が必要な場合には、用途に適した材料や3Dプリンタを選択しましょう。
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