Stratasysが3つの新型3Dプリンタを発表

ストラタシス、3つの新しい3Dプリンタの発表により、積極的なアディティブ・マニュファクチャリング戦略を推進

3Dプリンティング・ソリューションで業界をリードする Stratasys(以下 ストラタシス)は、数十億米ドルにのぼる最終部品のアディティブ・マニュファクチャリング市場に対応するため、3つの新しい3Dプリンタを発表した。今回発表された3製品は、従来の製造方法でカバーされていない少量から中程度の量産アプリケーション向けに、従来の製造方法からアディティブ・マニュファクチャリングへの移行を加速させる。

Stratasys Origin One

ストラタシスは、Originの買収統合(関連記事はこちら)を迅速に実行し、最終製造アプリケーション向けの「Stratasys Origin(R) One」3Dプリンタを発表。新しい3Dプリンタは、特許取得済みの「P3テクノロジー」とソフトウェア・ファースト・アーキテクチャを使用しており、認証済みの広範なオープン・サードパーティー材料でパーツを量産し、業界をリードする精度、ディテール、仕上げ、再現性、パーツ製造時間を実現。この技術とハードウェア・アップグレードにより、ストラタシスはこの新バージョン製品でシステムの事実上すべての面の最適化とともに、信頼性と性能を向上。クラウド・コネクティビティにより、ユーザーはさらなる機能の向上を実現。

コネクタとセンサの世界的リーダー企業であり、ストラタシスとOrigin両社の長年の顧客である TE Connectivity のアディティブ・マニュファクチャリング・エクセレンス・リーダー・グローバル・センターMark Savage氏は次のように述べている「私たちは2桁ミクロンの精度を必要とする3Dプリンティング造形コネクタの厳格な精度と再現性要件を満たすことに強く注力してきました。ストラタシスとOriginは私たちの素晴らしいパートナーとして、こうした目標の達成をサポートし、数万個レベルのパーツ生産でアディティブ・マニュファクチャリングの可能性を実証してきました。今日、ストラタシスのハードウェア、ソフトウェア、材料により、私たちにとって量産が現実のものになっています。これにより、私たちがより『つながった』未来の構築に向けて取り組む中で、車載、航空宇宙から家電に至るまでの産業分野で世界をリードするOEM企業の多くにとって、TE Connectivityがより迅速でコスト効率の高いパートナーになれると確信しています。」

ストラタシスの内部推定によれば、車載、コンシューマ製品、医療、歯科、ツーリング・アプリケーションなど、Origin Oneに適した量産指向の分野で、2025年までに37億米ドルの市場機会が期待されている。一部地域での受注開始は5月初旬を予定しているが、日本での受注開始および出荷時期については後日案内予定となっている。

量産規模向け新型3Dプリンタ「H350」

ストラタシスは、同社の「H Series」プロダクション・プラットフォーム初の3Dプリンタである「Stratasys H350」3Dプリンタを発表。SAFテクノロジーを採用したH350 3Dプリンタは、最終部品向けに生産レベルのスループットを提供。メーカーに対し、多数のパーツ製造に際して製造の一貫性、競争力のある予測可能なパーツあたりコスト、完全な制御機能を提供。

H350 3Dプリンタは、欧州、イスラエル、米国のサービスビューローや受託メーカーにより、2021年初頭からベータ・テストが行われてきた。その中には、この3Dプリンタを使用してオンデマンドでパーツを販売しているStratasys Direct Manufacturingも含まれている。2021年第3四半期以降には、より広範な顧客向けの出荷が予定されており、対象アプリケーションはカバー、コネクタ、ヒンジ、ケーブル・ホルダー、電子機器筐体、ダクトなどの最終部品となっている。

ストラタシスは、H Seriesプリンタ向けにサードパーティーの認証済み材料を使用。最初の材料「Stratasys High Yield PA11」は、サステナブルなキャスター・オイル製のバイオ・プラスチックを原料としている。

大型パーツの製作を容易にするF770 FDM 3Dプリンタ

3つめの新型3Dプリンタは、工業グレードのFDMテクノロジーによる再現性と信頼性に関するストラタシスの高い評価をベースとした「Stratasys F770 3Dプリンタ」で、大型パーツに最適な最新のFDM方式3Dプリンタは、市場最長の完全加熱ビルド・チャンバーと、1000 x 610 x 610 mmに対応した大型造形サイズを特長としている。

新型3Dプリンタは、標準熱可塑性プラスチックを必要とするプロトタイピング、治具、固定具、ツーリング・アプリケーションに最適で、可溶性サポート材は後処理を簡素化し、GrabCAD Printソフトウェアがワークフローを合理化。また、MTConnect標準とGrabCAD SDKにより、エンタープライズ・コネクティビティを実現。

F770のベータ・カスタマーである米国ウィスコンシン州マディソンの高級電気製品メーカー Sub-Zero Group Inc. のコーポレート・デベロップメント・ラボ・スーパーバイザーDoug Steindl氏は、F770により大型パーツの内製プリンティングと、30~40%のコスト削減が可能になったと述べている。


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