宇宙空間で造られた世界初のセラミック3Dプリント部品

Redwire、ISSに設置された最初のセラミック3Dプリンタでタービン部品のプリントに成功

アドコール・スペース社とディープ・スペース・システムズ社の合併により設立された宇宙関連企業 Redwire は、今夏傘下に収めた3Dプリンタベンチャー Made In Space が開発したセラミック製造モジュール「Ceramic Manufacturing Module(以下 CMM)」を使用して、宇宙空間で初となるセラミック部品一式を3Dプリントしたことを発表した。
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CMMを使用してプリントされたのは、ワンピース型のセラミック・タービン・ブリスク(ブレード+ディスク)と、特殊なセラミック樹脂から作られた基板品質試験のためのテストクーポンのセットで、Made In Space が独自に開発したCMMを用いて製造した、軌道上で動作する初のSLA3Dプリント部品となる。


Ceramic Manufacturing Module(Photo : Made in Space)

同プロジェクトは、2020年10月2日にノースロップ・グラマンの第14次商用補給ミッション(NG-14)で打ち上げられてから僅か2ヶ月後に実施されたものであり、工具を使わずに高度に複雑な部品を造れるアディティブ・マニュファクチャリング(以下 AM)技術を用いたこの製造施設は、CMMが地上で生産されるタービン部品の品質を上回るセラミック部品を、微小重力条件下でも生産できる可能性を証明した。

航空宇宙部品の軽量化は、エネルギー消費量の削減と性能向上を実現するために効果的な方法であり、マルチマテリアルコンポーネントを製造できるAM製造技術は、人類が宇宙空間で持続的に働き、生活する長期的な宇宙ミッションに適した機能を持つ、複雑で軽量化された部品を製造可能にする。

Redwire によれば、今回製造されたセラミック・タービン・ブリスクとテストクーポンは、分析および保管のため、国際宇宙ステーション(ISS)への第21次商用燃料補給サービス(CRS-21)ミッションに合わせ、SpaceX のドラゴン宇宙船を利用して2021年1月5日に地球に持ち帰る予定となっている。


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