BigRepが3Dプリント製航空機用シートを発表

大型3Dプリントシステムを利用して製造されるカスタムオーダー3Dプリント製航空機用シート

産業用アプリケーション向けの大型3Dプリントシステムに特化した、ドイツの3Dプリンタメーカー BigRep は、ハンブルグで開催された「Aircraft Interiors Expo」において、ダッソー・システムズ(Dassault Systèmes)と共同で、世界初の完全3Dプリント製航空機用シートシステムを発表した。このプロトタイプは、航空機の客室設備や乗客の旅行体験を根本的に変える可能性を秘めているという。

世界初の3Dプリント製電動バイク「NERA E-Motorcycle」などをリリースするBigRepのイノベーション部門 NOWLAB のエンジニアは、3DEXPERIENCEプラットフォームとダッソー・システムズの業界ソリューション「Passenger Experience」を使用して、利用可能なスペースや予想される荷重、境界条件、製造プロセスおよび異なる材料要件の観点から高度に最適化されたコンポーネントの設計とシミュレーションを行い、高度に最適化された航空機用シートを開発。BigRepの大型3Dプリントシステムで、そのプロトタイプを作製した。

この3Dプリント製シートは、従来のシートから重量を50%削減し、持続可能な航空機部品の製造と運用コスト削減に大きなメリットをもたらすと考えられている。
BigRep NOWRABの共同設立者兼マネージングディレクターであるDaniel Büning氏は次のように述べている「当社のプロトタイプは、航空機メーカーと企業の両方に3Dプリントの大きな利点を示しています。 さらに、モデル、家具、キャビンパーツも現場やリクエストに応じてプリントすることができます。」
また、BigRepのCEOであるDr. Stephan Beyerは「当社の新しい3D PROプリンタは、これまでにない精度、品質、スピードを提供し、航空宇宙産業が必要とする革新的な高性能素材でのプリントを可能にします。3Dプリントは、創造的なエンジニアリングの可能性を広げるだけでなく、航空宇宙産業を再定義する上で役割を果たすことになるでしょう。」と述べている。

BigRepとDassault Systèmesは、シートからアームレスト、壁パネルに至るまで、キャビンのあらゆる部分にアディティブ・マニュファクチャリング(3Dプリンティング)を使用する方法を紹介。このシートは、3Dプリントの技術的な可能性を最大限に活用し、無線充電などの機能を備えており、スマートフォンをワイヤレスで充電することができる。また、ヘッドレスト後部には、タブレットなどの端末機器を使用するためのキャリー・マイ・デバイス接続や、各種USBポートを装備。
更に、シートに内蔵されたブルーLEDライトパネルが、夜間フライトに快適な照明を演出。離着陸時にはアームレスト内にノートパソコンを安全に収納できるよう、巧みに設計されたコンパートメントを装備している。

このシートは、3Dボディスキャン技術を使用して利用者の体型をスキャンしたデータを元に設計、製造されているため、高いレベルの座り心地を提供することができる。


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