建設機械メーカーが3Dプリンタで最終用途部品を製造

HIDROMEKはFFF方式3Dプリンタ「LOOP 3D」で重機に搭載する最終用途部品を製造

トルコを拠点とする建設機械メーカー HİDROMEK は、トルコの3Dプリンタメーカー Teknodizayn が設立した3Dプリンタブランド「LOOP 3D」の3Dプリンタを使用して、農業用車両の最終用途部品を製造。

新型コロナウィルス感染症の影響によって崩壊したサプライチェーンの問題は、製造メーカーにも大きな混乱を招いた。HİDROMEK は、将来再び起こり得るサプライチェーンの崩壊を見据えて、ダウンタイムの短縮や今後影響する可能性のある関連コストの回避を求め、従来の生産方法から時間とコストの両方を削減する手段として、車両製造プロセスに3Dプリント技術を活用することを選択。

「Loop 3D」を展開する Teknodizayn は、3Dプリンタや3Dスキャナの再販業者としてのキャリアを活かし、LOOP 3Dブランドを通じて独自の3Dプリンタを開発。実用的なノウハウに基づいたFFF方式の3Dプリンタ「LOOP PRO」は、重工業、航空、政府機関などの顧客要件に対応するため、工業グレードの複合材料を使用して、剛性が高く機能性に優れた最終部品を製造することができる。

500x350x500mmのビルドボリュームを有する「LOOP PRO」は、モジュラープリントヘッド、マグネット着脱式ビルドプレート、レーザーアシストプリントベッドキャリブレーション、マテリアルコンディショニングユニットなどを備えた工業グレードの3Dプリンタで、米国サンフランシスコに本社を置くクラウド型3Dプリンタソフトウェア開発会社である 3DPrinterOS と共同で開発した独自のスライシングおよび管理ソフトウェア「LOOP 3D CLOUD」を備える。

農業用トラクターのアタッチメント製造からスタートした HİDROMEK はその後、建設重機の製造を開始して以来、この分野での製品群を拡大。現在では、バックホーローダー、油圧ショベル、ホイールローダー、モーターグレーダー、ソイルコンパクターなどを製造する業界大手に成長。アンカラの4工場、イズミルの1工場、タイの1工場を含む計6つの生産拠点で、約2000人の従業員がこれらの機器を生産している。

HİDROMEK では、多額の投資を伴う厳しいタイムスケジュールに対応するため、製造時間の短縮プロセスを追求し、LOOP PRO 3Dプリンタを使用して多くの最終用途部品を製造することを選択。
その一例として「HMK 130 CS Compact Rollers」の制御ユニットのハウジングを3Dプリント。

この制御ユニットは、内部に電子機器を搭載した車両の操作部が収納されており、重要なコンポーネントの機能性を確保するため、厳しい公差管理と耐久性の要件を満たす必要がある。HİDROMEK は、Loop PRO 3Dプリンタと工業グレード材料「Dynamide Carbon FiberとGlass Fiber」を使用して、この制御ユニットのハウジングを3Dプリントし、単一パーツあたりのコストを従来の製造方法から80%削減することに成功。

3Dプリントされた部品は、HİDROMEK の大型重機で使用するための認証テストにも合格している。


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