3Dプリント製フェイスシールド無償提供プロジェクト

医療現場へ3Dプリントフェイスシールドを届けるプロジェクト「3D PRINT FACE SHIELD」

現在 id.arts(アイディーアーツ株式会社)では、大阪大学 中島特任教授の呼びかけによりスタートした「3D PRINT FACE SHIELD」プロジェクトに参加し、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴う医療現場のPPE(個人防護具)不足問題に対応するため、3Dプリント製フェイスシールドの無償提供を行っています。

このプロジェクトは、3Dプロントされたフレームと、安価で入手しやすいクリアファイルを用いたフェイスシールドを製作することを目的に設立されたFacebookグループ「3D PRINT FACE SHIELD GROUP」に参加する有志によって運営されています。

id.artsが提供するフェイスシールドについて

このプロジェクトに参加する id.arts では、複数の医療機関に向け、以下の方法で3Dプリント製フェイスシールドを提供しています。

1. フレームを3Dプリント

大阪大学大学院医学院医学系研究科 次世代内視鏡治療学共同研究講座(プロジェクトENGINE)にて公開中のデザインから、Face shield_3.0、Face shield_13.3、Face shield_4、の3種類のフレームデザインをそれぞれ数十個単位で作製。

 

2. フレームの消毒

完成した3Dプリント製フェイスシールド用フレームは、次亜塩素酸ナトリウムに1時間程浸けて消毒した後に水洗いし、拭き上げ、乾燥工程を経てパッキング。
※この消毒行為はあくまで簡易的なもので、実際に使用する際には、各医療機関で消毒を行うようお願いしています。

消毒中のフレーム類

消毒後、丁寧に水洗い


水洗い後、拭きあげと乾燥を経て梱包作業へ

 

3. 簡易梱包・発送

乾燥を終えたフレームは個別に簡易パッキングし、クリアファイルや利用手引きなどを同梱して、事前に調整を済ませた各医療機関及び関係先へ向けて発送します。

 

医療機関からのリクエストに応じて追加作製

以上の工程を経てフェイスシールドを提供した後は、各医療機関にて実際に使用いただき、使い勝手の良い物を選定してもらいます。その後、リクエストされたデザインを必要な数だけ追加で作製し、再び指定の医療機関へ向けて発送します。その際、カスタマイズなどの要望があれば、リクエストに応じてデータ調整を行い対応します。

追加作製中のフレーム

 

スワニーから提供いただいたマスクストラップ

また今回は、有限会社スワニー(Swany)様にもご協力いただき、要望のあった医療機関に対し、同社のマスクストラップを提供させていただきました。
マスクストラップに関する詳細:https://idarts.co.jp/3dp/swany-mask-strap/


デジタルモールドを活用して開発されたマスクストラップ

 

Ultimaker S5で大量のフェイスシールド生産

今回のフェイスシールド造りでは、3Dプリンタサプライヤーのブルレー(BRULÉ)社に協力を仰ぎ、同社が販売する高性能デスクトップ型3Dプリンタ「Ultimaker S5」と、Ultimaker純正材料「Togh PLA」をご提供いただき、100近い数のフェイスシールド用フレームをプリントしました。

ハードな連続使用でも安定した造形を続けた「Ultimaker S5」と、強度と造形品質に優れた「Togh PLA」が、短時間で高品質なフェイスシールドをプリント。S5は、1モデル当たり1時間以内でプリント可能なドラフト設定でも、十分な品質を実現しています。

今回ブルレーから提供いただいた、Ultimaker 純正フィラメント「Togh PLA」

Ultimaker S3 が10万円割引販売を実施中

現在ブルレーでは、新型コロナウィルス感染症対策の一環として「Ultimaker S3」の10万円割引販売を(6月20日まで)実施しています。
このキャンペーンに関する詳細:https://idarts.co.jp/3dp/brule-ultimaker-s3-bizcon/

 

今後の活動について

今回は、新型コロナウィルス感染者を受け入れる大学病院から小規模なクリニックまで、大小複数の医療機関へ提供させていただきましたが、今後も、引き続き提供を予定しています。フェイスシールドを必要とする医療関係者、福祉施設関係者の方は、下記の応募フォームよりお申込みください。
https://idarts.co.jp/3dp/3d-print-face-shield/

※ 追記:2020年5月8日
現在、透明度の高いクリアファイルが不足し、入手困難な状況が続いています。ご依頼いただくタイミングによってはフレームのみの提供になる場合がございます。

 

クリアファイルについて

現在様々なタイプのフェイスシールドプロジェクトが立ち上げっており、全国的に透明度の高いクリアファイルやプラシートが不足しているため、本プロジェクトに対し、透明度の高いクリアファイルやプラスチックシートを提供いただける企業・団体を募集しています。

 

ライセンスについて

プロジェクトENGINEが提供するこのフェイスシールドフレームは、一切の商用利用が禁止された「CC BY-NC」として公開されています。データその物の商用利用だけでなく、データに基づいた制作物の商用利用も不可とされているので、ご注意ください。

クラウドファンディングで寄付募集

中島教授率いる本プロジェクトでは、3Dプリント製フェイスシールドフレーム開発と並行し、量産用フレーム製作のための資金調達キャンペーン「新型コロナ:命を守るフルフェイスシールドをいち早く医療現場へ」を、クラウドファンディング Readyfor にて実施しています。このキャンペーンでは、2,300人を超える方々から3000万円弱(2020年5月2日現在)の寄付金を集めており、より多くのフェイスシールドを生産し提供できるよう、引き続き皆さまからの支援を募っています。


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