3Dプリントマッシュポテトで機能性食品を評価

フードプリンティング技術で善玉菌をコントロールし機能性食品を生成

中国の江南大学とオーストラリアのクイーンズランド大学の研究チームは共同で、プロバイオティクス(人間がバランスの取れた消化を維持するのを助ける腸内微生物の一種)を含む3Dプリントマッシュポテトに焦点を当てた3Dフードプリンティングに関する研究プロジェクトをFood Research International誌に発表した。


3Dプリントマッシュポテト(ノズル径 1.0mm)

健康志向が高まる中、食の志向として機能性食品への関心は上昇傾向にある。必要な栄養素を蓄えながら実用的な方法で空腹を満足せる機能性食品は、健康を欲する先進国だけでなく、栄養不良に苦しむ世界各地の貧困地域にとっても重要となる。
このプロジェクトの主な目的は、3Dプリント用にマッシュポテトの配合を最適化し、プロバイオティクスを含む機能性食品を3Dフードプリンティングに組み込む可能性を評価することにある。


異なるノズル径によるプリント結果

腸内微生物の一種(善玉菌)を含むプロバイオティクスは、腸疾患のある人だけでなく歯周病などの患者にも良い影響を与えることがわかっている。江南大学とクイーンズランド大学が共同で展開中のこのプロジェクトでは、体に必要な栄養素を改善するため、さまざまなノズルの直径と温度を使用してプロバイオティクスを含むマッシュポテトを3Dプリント。特定の条件下で各変数のプロバイオティクス生存を評価し、マッシュポテトにプロバイオティクスを効果的に追加する方法を研究している。

カスタマイズ可能な栄養特性を持つ食用成分の作成に適した3Dフードプリンティング技術は、機能性食品分野でも関心が高く、多くの企業や研究グループが高齢者や食事制限のある人々へ提供する食事への適用を研究している。今回発表された両校の研究成果は、フード3Dプリンティングを使用して、プロバイオティクス微生物を豊富に含む食品添加物を製造することが有望であることを示唆している。

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