ココアバターベースの代替肉の3Dプリントに成功

中国浙江大学の研究チームは、3Dプリント用代替肉に適した植物性ゲル材料を開発

中国の国立大学である浙江大学の研究チームは、3Dプリント可能な代替肉として使用できる、植物性ゲル材料を開発。3Dプリント可能な代替肉には、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、小麦グルテンなどの成分が含まれており、健康や持続可能性に関するコストをかけずに本物の肉のような栄養価を有しているが、研究チームが開発した3Dフードプリント用材料で最も良好な結果を示した配合は、カカオ豆から抽出された脂肪であるココアバターを主成分として含んでいた材料であった。
研究チームは、タンパク質、デンプン、アルギン酸ナトリウムが材料の押出し性とプリント精度に及ぼす影響を調査し、その結果を『ACS Food Science & Technology』誌に掲載した。


大豆、小麦、ココアバターを使用した3Dプリント代替肉 Photo : 浙江大学

3Dフードプリント技術は、食事に含まれるタンパク質や糖分、ビタミン、ミネラルなど、個々の健康状態に応じた量を適切に制御可能な技術として注目されている。例えば、高齢者向けの医療や介護現場での活用はもちろん、戦地や宇宙空間など、特別な食事を必要とする人々に最適な栄養素を有する食事を効率良く提供することが可能になる。また、持続可能性、動物倫理(屠殺問題)、健康意識の高まりなど「食」をテーマとした情報がメディアで取り上げられるようになり、代替肉への注目が世界的に高まっている。
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本物の食感と栄養素を維持するために開発される代替肉は、大豆、小麦、エンドウ豆などを主成分としているが、特に大豆は赤身肉に含まれるコレステロールや飽和脂肪酸を除去しながら、良質なタンパク源となる食材として広く用いられている。研究チームは、3Dプリンティングのパーソナライゼーションの利点と、代替肉の健康と持続可能性の利点を融合させるため様々な代替食品を開発。
3Dプリント用に大豆と小麦をベースにしたゲルを数種類調合し、プリント適性と最終的な構造的完全性(形状を維持する能力)を評価。その結果、優れた3Dプリント性能を得るためには、適切な量のココアバター、Tween-80(乳化剤)、アルギン酸ナトリウムを加えることが不可欠であると判断。


Redefine Meatが開発した植物由来の3Dプリント代替肉

Tween-80とアルギン酸ナトリウムは、ゲルの質感をコントロールするのに重要な役割を果たし、ココアバターは高温のプリント工程で流動性を与え、ジェルを押し出しやすくし、室温に戻すと固まり、プリントされた構造体の形状をよりよく維持することが出来ることが分かった。

当然ながら、グルテンや大豆ベースのゲルに対してアレルギーを持つ人には適さないため、研究チームは、エンドウ豆ベースの3Dプリント材料も多数開発。残念ながら、これらの代替材料は柔らかすぎてプリントに適していないことが分かったが、植物由来の代替肉を開発するための新たなアプローチの検証に役立ったと考えている。


MeaTechが開発した3Dプリント培養ステーキ

世界的に注目されている代替肉開発

フードプリンティング分野の技術研究はまだ始まったばかりだが、世界初の代替肉3Dプリンタを開発するイスラエルの食品ベンチャー Redefine Meat は、植物由来の3Dプリント製代替ステーキ用肉「Alt-Steak(アルトステーキ)」を発表。一部の高級レストランで提供を開始している。
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また、イスラエルの食品技術ベンチャー MeaTech は、独自の3Dバイオプリンティング技術を用いた持続可能な培養肉製品を開発し、独自プロセスを用いた3.67オンス(約104g)の培養ステーキの3Dプリントに成功。このステーキは、本物の脂肪と筋肉の細胞だけで構成されており、大豆やエンドウ豆のタンパク質など、植物由来の成分を一切使用していない。
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