培養肉を使用した3Dプリントステーキ開発に成功

イスラエルの食品ベンチャーが培養肉から3Dプリントされたリアルなリブアイステーキの開発に成功

3Dティッシュ・エンジニアリング・プラットフォームを使用した培養肉開発を専門とするイスラエルのフードテックベンチャー Aleph Farms(以下 アレフファームズ)は、研究パートナーであるイスラエル工科大学生物医学工学部と共同で培養肉を原料に3Dプリントされた、本物の牛肉に近い見た目と味を再現したリブアイステーキを開発したことを発表した。

アレフファームズが開発するこの人造肉は、従来の植物由来のタンパク質や脂肪を原料とした代替肉と異なり、動物を屠殺することなく、健康な牛から抽出した生きた細胞を培養して成長させた原料をバイオ3Dプリンタを使用して形成した物で、本物の牛肉ステーキと同じ組織構造を成している。

世界初の代替肉3Dプリンタを開発するイスラエルの食品ベンチャー Redefine Meat や、ロシア最大の民間医療関連企業 INVITRO によって設立されたバイオテクノロジー研究機関「3D Bioprinting Solutions」と共同で、筋肉組織のバイオ3Dプリンティング技術を開発するスペインのベンチャー Novameat など、 昨今、商業向け代替肉産業への投資と研究が急拡大している。
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image : AlephFarms

アレフファームズは3Dプリントされたリブアイステーキの開発に成功したことで、基本的にどの様な形状や食感、そして栄養価などの異なる様々な種類のステーキが、3Dプリント技術を用いることで製造可能であることを証明した。同社は今後も培養肉製品のポートフォリオを拡大し、2022年までにイスラエル国内で市場展開を計画している。

世界の食肉消費量は1960年代から70%増加し、総生産量は同期間で5倍にまで達している。この成長は今後も続くと予想されており、多くの専門家が「このままでは食肉消費用に飼育されている家畜による環境への影響が拡大し、大きな負担になる。」と警告している。また、食肉用として飼育されている動物は、米国内で使用される水の半分以上を消費する一方、たった1つのハンバーガーを製造するのに小型車を20マイル運転するのと同等の化石燃料を使用すると言われている。更に豚肉加工工場などでは、12,000人規模の都市と同等の生ごみを排出しているとして、大きな社会問題となっている。昨今多くの企業がこの問題に対応するため、次の10年で肉の生産と消費の方法を変えようと研究をすすめている。その方法のひとつとして注目される代替肉市場では、3Dプリント技術を利用した高品質でオーダーメイド可能な代替肉製品の提供を始めており、今後さらに成長することが予想されている。

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