3Dプリント中の失敗をカメラで検出するオープンソースプログラム

オープンソースのAIソフトウェアが3Dプリント中の失敗をWebカメラで検出しユーザーへ報告

世界各地で猛威をふるっている新型コロナウィルス感染症(COVID-19)により、多くの都市で「緊急事態宣言」や「ロックダウン」が発令され、自宅に引き籠もるような生活を強いられている。また、不足する医療品問題を解決するため、世界中の3Dプリンタメーカーや個人ユーザー等が、3Dプリント技術を活かして、フェイスシールドやマスクなどのPPE(個人防護具)を製作している。

このように、3Dプリンタの利用頻度が増すにつれ発生しがちな造形エラー。特に、吐出された材料が上手く積層されず、押し出されたフィラメントがスパゲッティのように絡まった状態になることがある。これは、FFF/FDM方式の3Dプリンタを利用するユーザーであれば、誰もが一度は経験しているはずである。

ソフトウェアプログラマであり3Dプリンティング愛好家でもある「The Spaghetti Detective (以下 TSD) 」の創設者Kenneth Jiang氏は、3Dプリンタの本体やPC用ウェブカメラを利用して、プリントジョブエラーによる「スパゲッティ」状態が始まったことを検出すると、プリントプロセスを中断して、電子メールやテキストメッセージでユーザーへ警告するエラー感知システムを開発し、サービスの提供を開始した。

TSDのシステムは「YOLO」と名付けられたディープラーニングアルゴリズムに基づいて構築されており、10分毎に強制的に3Dプリンタをチェック。トラブルが発生し、押し出されたフィラメントがスパゲッティ状態になると、その画像の一部を囲み効果的にデータをラベル付け。これらのトラブル検知画像は、YOLOのアルゴリズムによって解析され、失敗を検出したのち直ちにユーザーへ通知する。

 

TSD システムの設定手順

ステップ1: Raspberry Piとカメラを3Dプリンタに接続。
ステップ2: OctoPrintとThe Spaghetti Detectiveプラグインをインストール。
ステップ3: 無料でSpaghetti Detectiveにサインアップ。
ステップ4:プリントジョブを開始。

3Dプリントコミュニティに貢献するオープンソースプログラムの1つであるTSDは、3Dプリンタ一台分までは無料でダウンロードし使用可能で、10秒に1回、プリントの進行状況をチェックすることができる。また、必要に応じて複数の3Dプリンタを一度に監視可能な「Pro サービス」を有料で購入することもできる。Proサービスは、月額4ドルから利用可能で、追加の3Dプリンタ(最大5台まで)を2ドルで追加できる。


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