フルフェイスシールドを量産・無償配布するクラウドファンディング開始

医療従事者の命を守る「フルフェイスシールド」を量産・無償配布するクラウドファンディング「大阪大学×READYFOR」ローンチ

大阪大学は、クラウドファンディングサービス「READYFOR」を運営するREADYFORと実施中のクラウドファンディングプログラム「大阪大学×READYFOR」にて、身近にある文房具「クリアファイル」を取り付けることで、医療従事者を飛沫や接触による新型コロナウイルスの感染から守るフェイスシールドとして使える『フレーム』を、2020年5月初旬より大量生産開始および医療機関への順次配布を実施するため、500万円を目標としたクラウドファンディングを開始した。

プロジェクトURL:URL:https://readyfor.jp/projects/handaifull-faceshield

 

「フェイスシールドのフレーム量産・配布」プロジェクト実施の背景

新型コロナウイルス感染症の感染経路として多いのが飛沫や接触による感染である。医療現場では、マスクやアイシールドをして防御しているが、マスクの位置をずらす、アイシールドの位置をずらすというごくわずかな動作だけで感染のリスクが増加。この様な状況の中、顔を覆うフルフェイスシールドが必要とされているが、従来販売されている規制品の医療用シールドは、現在深刻な品不足に陥っている。そこで大阪大学大学院医学系研究科の中島清一特任教授と室崎修招へい教員(次世代内視鏡治療学共同研究講座)らは、メガネフレーム制作の企業と協力し、わずか3日で身近にあるクリアファイルを用いた安価なフェイスシールドを開発し、本年4月2日からフレーム部分の3DデータをWebで無料公開した。
関連記事:https://idarts.co.jp/3dp/project_engine-3d-printed-plastic-frame/
プロジェクトURL:http://www.project-engine.org/faceshield.html

しかし、オーバーシュート(患者の爆発的急増)に万一至った場合、医療機関において大規模なフェイスシールドの備蓄不足に陥る危機的状況は改善されておらず、工場におけるフレーム部分の大量生産・医療機関への配布を速やかに実施するためのプロジェクトを、緊急的に開始することとなった。

 

クラウドファンディングプロジェクトについて

  • タイトル:「新型コロナ:命を守るフルフェイスシールドをいち早く医療現場へ」
  • URL:https://readyfor.jp/projects/handaifull-faceshield
  • 実施主体:大阪大学(中島清一:本学大学院医学系研究科 次世代内視鏡治療学共同研究講座 特任教授)
  • 目標金額:500万円 ※大阪大学へのご寄附については、税制上の優遇措置が受けられます。
  • 寄附募集期間:2020年4月20日(月)〜6月12日(金)23:00 までの計53日間
  • 形式:All or Nothing / 寄附型
    ※All or Nothing形式は、期間内に集まった寄附総額が目標金額に到達した場合にのみ、実行者が支援金を受け取れる仕組みである。
  • 支援金の使途:量産用金型製作費、フレーム製造費、梱包・運送費等

 

工場による製造と配布の計画について

2020年4月中に金型製作を実施し、5月上旬から約2ヶ月間で10万個のフレーム量産を目指す。4月20日現在、発送先は確定していないが、各都道府県の感染症指定医療機関をはじめとした、感染症患者の受け入れ数の多い医療機関から優先的に、5月上旬より完成したフレームから随時、必要な数を梱包・運送予定。6月以降も必要があれば製造を継続する予定。量産に協力いただく工場は、甲子化学工業株式会社(東大阪市)、株式会社工販(神戸市)。配布先となる医療機関の選定、および梱包・運送については、大阪大学および東大阪市の協力のもと、現在、体制を調整中。

 

研究者のコメント(中島 清一 特任教授(常勤))

医療従事者、患者への感染を防ぐため、世界中でさまざまな取り組みがなされています。本学でも、本プロジェクトの3Dプリントのもの、金型量産のもの、手作りのものなど、あらゆるタイプの個人防護具(PPE)でこの緊急時を乗り切ろうとしています。できるかぎりのことをして、一つでもおおくのPPEを現場に供給して、医療従事者のいのちを守り、患者のいのちを守ろうと動いています。特に、本プロジェクトは、真の産学連携、真の社会実装、真のイノベーションを支援していただくものであり、これからの大学、研究者がいろんな人たちと力を合わせて大きな課題を解決していく「成功事例」を産み出してくれるものと確信しています。本プロジェクトを通して得られた経験は、これからも必ずやってくる新型感染症のような災厄に打ち勝つためにきっと役立つものと信じております。皆様のご支援をぜひともお願いします。

 

本サイトを運営するアイディーアーツ株式会社では、大阪大学大学院医学系研究科の中島清一特任教授らによる「フェイスシールドプロジェクト」に賛同/協力しています。また本プロジェクトでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応として、3Dプリンタで出力可能なフェイスシールドのデータを配布しています。
http://www.project-engine.org/


関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けする「Newsletter 3DP id.arts」への登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る