- 2021-8-23
- 最新情報
- 3DFS, 3DPrinter, 3DPrinting, 3DPS, 3Dプリンター, 3Dプリンティング, FDM, FFF, filament, Medical, robot, ソフトロボティクス, テクノロジー, バイオ, フィラメント, ロボット, 医療, 工業デザイン, 工業製品, 科学
TU/eの研究チームは、医療機器やARディスプレイに応用が期待される3Dプリンタブル液晶インクを開発
アイントホーフェン工科大学(TU/e)の研究チームは、ヘルスケアやAR(拡張現実)ディスプレイ等への応用の可能性がある既存の3Dプリント技術に対応した新しいカラーチェンジ液晶インクを開発。この研究成果は、学術誌「Advanced Materials」に掲載された。
自然界では、蝶の羽や昆虫の外皮、貝殻の内殻にある真珠層など、見る角度によって色が変わる無機質と有機質の複合物質が含まれており、これらの美しい構造色を有する天然素材を人工的に加工したものが、液晶材料の1つであるコレステリック液晶である。コレステリック液晶は、液晶ディスプレイだけでなく、電気的に透明度を切り替えられるスマートガラスや太陽電池パネルなど、スマート素材としての応用が進んでいる。
しかし、コレステリック液晶は固体構造にするほどの粘性がないため、これまでは3Dプリンタなどの高度な製造プロセスで使用することができず、用途が限られていた。
これまでのコレステリック液晶インクは、DIW(Direct-Ink-Writing)ではプリントできないため、TU/eの化学工学・化学部門の研究者等は、TNO、DSM、Brightlands Materials Center(DynAMコンソーシアム)、SABICと共同で、DIWに対応した液晶エラストマーベースのインクを開発。DIWに対応した液晶インクは、小さなノズルから層ごとに表面へ吐出する押し出し方式によって表面に3Dプリントすることができる。また、プリント速度を変化させることでナノスケールの分子配列を正確に制御することが可能なため、素材の外観や光の反射特性をより細かくコントロールして、複雑な色のグラデーションを作り出すことができる。
このような特性を有する液晶インクは、新規性、製造の容易さ、加工のしやすさから3Dプリントに適しているという。
現在のところこの液晶インクは、色の変わる蝶型のデモプリントにしか使われていないが、将来的には、視覚的にも色彩的にも着用者と相互作用するウェアラブルバイオセンサーなど、パーソナライズされた医療機器や、AR(拡張現実)ディスプレイの光学構造にも応用できる可能性があるとしている。
関連記事
- ExOne、電気自動車用銅巻線を3Dプリント
- 3Dプリント技術を活用した医療用シミュレーターブランド「JMC Lab」
- 3Dプリント製心臓シミュレーターが米国デザイン賞を受賞
- 4Dプリント技術で自己調整するリストスプリントを開発
- オランダ代表ホッケー選手、3Dプリント手首装具を装着
- 3D Systems、3Dバイオプリント軟組織構造を開発
- 自動的に変形するリバーシブル4Dプリンティング
- 造形後に体温で変形可能な新フィラメント発売開始
- 液体ゴム製3Dプリントシューズ
- 利用者に合わせカスタマイズ可能な3Dプリント製装具「ARMOR」
- ShapewaysとEOSは提携し装具および補綴物市場に進出
- 抗菌作用フィラメント『MD Flex』販売開始
- 抗菌作用フィラメント「PLACTIVE AN1」
- 3Dプリント技術を使用して授乳中にHIVウイルスを不活性化
- Shapewaysの3Dプリント部品2000万点達成
- 5秒で完成!3Dプリンタと真空成型機でPPEマスクを効率的に生産
- ステンレス鋼部品製作用「Ultrafuse 316L」販売開始
3DP id.arts の最新投稿をお届けする「Newsletter 3DP id.arts」への登録はこちら
最新情報をお届けします
Twitter でid.artsをフォローしよう!
Follow @idarts_jp