自動的に変形するリバーシブル4Dプリンティング

シンガポールの研究チームが人の手を介さずに変化するリバーシブル4Dプリンティング技術を開発

シンガポール工科デザイン大学(Singapore University of Technology and Design 以下 SUTD)と南洋理工大学(Nanyang Technological University 以下 NTU)の共同研究チームは、電気的な入力なしに何度も形状を変化させて元に戻すことが可能な3Dプリント材料を用いたリバーシブル4Dプリンティング技術を開発した。


Photo:SUTD

リバーシブル4Dプリントとは、3Dプリントされたオブジェクトが変形後に元の形状に戻ることができることを意味している。これまでの4Dプリンティングでは、形状の最初の変化に熱や水を用いており、多くの場合、元の形状へ戻すために引き伸ばしや引っ張りなどの手作業を必要とするため時間と手間が掛かっていた。研究者等は、人間の介入なしで自動的に変化する4Dプリンティングを実現するため、ハイドロゲルに注目。しかし、ハイドロゲルは機械的強度に欠けるため、その用途は限られている。

SUTDとNTUの共同研究チームは、3Dポリジェットプロセスに対応したVeroWhitePlusとTangoBlackPlusという素材を使用して、ハイドロゲルや人の手を介さずに変化する4Dプリンティング技術を開発。このプロセスでは遷移材料に応力を与えるため、ハイドロゲルの膨潤機能の代わりにエタノールでエラストマーを膨潤。加熱すると遷移材料は第二形態に形状を変化させ、エタノールが蒸発してエラストマーが乾燥すると、エラストマーがその中に蓄積された弾性エネルギーにより遷移材料を引き戻すため、遷移材料の二次加熱により、遷移材料が元の形状に戻る。エラストマーは、プログラミング段階での応力誘導と、復元時に材料に弾性エネルギーを蓄積するという二重の機能を果たした。

また本研究では、手動でオブジェクトを強制的に反転させる場合と比較して、反転がより正確に行われると結論付けた。
リバーシブル4Dプリンティングはまだ初期段階にあるが、今回の共同プロジェクトにより、自動化されたリバーシブル4Dプリンティングの背後にあるメカニズムについて大きな洞察を与えた。チームは今後もこの新しい材料を使い、トライアルを続けていきたいと考えている。

この研究は「Preliminary Investigation of the Reversible 4D Printing of a Dual-Layer Component」と題され、Amelia Yilin Lee、Jia An、Chee Kai Chua、Yi Zhangの共著として、2019年12月の「Engineering」に掲載された。


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