Desktop MetalがEnvisionTECを3億ドルで買収

デスクトップメタルが3Dプリンタメーカーエンビジョンテックを3億ドルで買収

マサチューセッツ州に本社を置く3Dプリンタメーカー Desktop Metal(以下 デスクトップメタル)は、2002年に設立された3Dプリンタメーカー EnvisionTEC(以下 エンビジョンテック)を3億ドル(約315億円)で買収することを発表した。この取引は2021年の第1四半期に完了する予定で、デスクトップメタルの完全子会社として運営されるエンビジョンテックの代表には、同社の創業者兼CEOであるアル・シブラニ氏が引き続き務める。

今回の買収によりデスクトップメタルのグローバル販売網は2倍以上に拡大し、地理的な販売能力は世界68カ国に拡大。デスクトップメタルは、宝飾・歯科市場で多くのユーザーを抱えるエンビジョンテックの販売網を活用し、これらの市場で同社のメタル3Dプリントシステムの販売を拡大することを計画している。

デスクトップメタルの創設者兼CEOであるリック・フュロップ氏は「エンビジョンテックは、アディティブ・マニュファクチャリング業界における最終用途部品製造のパイオニアであり、フォトポリマー3Dプリントの基礎となるキーテクノロジーを生み出した会社です。デスクトップメタルとエンビジョンテックが協力することで、アディティブマニュファクチャリング2.0の未来を形成し、世界中の部品製造方法を変革する機会を得ることができると考えています。世界中の顧客に対し、ワールドクラスのアディティブ・マニュファクチャリング・ソリューションの提供を実現するため、エンビジョンテックをチームに迎えられることを楽しみにしています。」と述べている。

カルティエ、フォード、スマイルダイレクトクラブなど、ヘルスケア、自動車、航空宇宙、バイオファブリケーションなど幅広い業界に5,000社以上の顧客を持つエンビジョンテックは、ヘンケルなどのブランドとの材料開発に力を入れており、最新3Dプリントシステム「Envision One」と「Xtreme 8K」を発表。
この買収によりデスクトップメタルは、既存のDLP技術をベースとした3Dプリントシステムに加え、エンビジョンテックが開発する産業規模のロボット型AM製造(Robotic Additive Manufacturing 以下 RAM)製品プラットフォームを介して、デジタル鋳造機能を得ることになる。特許技術を使用する同社のRAMシステムは、従来の低速な代替製品の1/4の価格で入手が可能で、ポリメチルメタクリレート(PMMA)またはシリカサンドのいずれかを使用した鋳造用途向けの金型中子およびインベストメント鋳造パターンを製造することができる。デスクトップメタルは、独自に開発した特許出願中の「Single Pass JettingTM」技術を使用して、このプラットフォームの性能を大幅に向上させ、1.8 x 0.9 x 0.9メートルの大規模ビルドによる生産性を拡大し、部品製造における経済性を向上させることを計画している。


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