NASAが宇宙空間で使用する3Dプリントバッテリーを開発

NASAとKULRは長期ミッションに備え、宇宙空間で3Dプリント可能なバッテリーを開発中

バッテリーや電子システム用の次世代炭素繊維熱管理技術を開発する米国カリフォルニア州の企業 KULR Technology Group(以下 KULR)は、NASAのマーシャル宇宙飛行センター(Marshall Space Flight Center 以下 MSFC)と協力し、有人および無人宇宙ミッション用の3Dプリントバッテリーシステムの開発に向けた技術開発契約を締結した。

MSFCは、同社の受動伝播耐性(passive propagation resistant/PPR)技術と内部短絡(internal short circuit/ISC)技術を活用して、JSC 20793 Revision Dの安全基準を満たし、宇宙空間に展開できるNASA向けの3Dプリントバッテリーシステムを開発する。

MSFCの副主任である技術者のジョン・カー氏は「NASAは、人工衛星技術に対して非常に厳格な保証と安全基準を採用しています。将来の有人・無人宇宙ミッションに向けたKULRのPPR設計ソリューションは、大量設計、柔軟性、コストの面で理想的なものであると同時に、熱暴走などのバッテリーのリスクを避けた高い安全性を保障します。」と述べている。

昨年NASAは、国際宇宙ステーション(ISS)でのリチウムイオン電池の輸送と保管のため、KULRのPPRソリューションを使用しているが、宇宙空間で電池パックを直接3Dプリントできるようになれば、打ち上げ時のコスト効率が大幅に向上するなど、多くのメリットを得られる可能性がある。またKULRでは、宇宙空間における電池の修理やメンテナンスについても調査を行う予定であり、これは、NASAが計画する火星への有人ミッションに備えたテストも兼ねている。


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