3Dプリント非侵襲的PEEPマスクが人工呼吸器不足を軽減

Materialise、人工呼吸器不足に対応するため非侵襲的PEEPマスク用3Dプリントコネクタを開発

ベルギーを拠点とする3Dプリンティングのパイオニア Materialise(以下 マテリアライズ)は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による機械式人工呼吸器不足問題を軽減するため、ほとんどの病院で利用できる標準的な機器をマスクに変えて、肺に陽圧を掛けて患者の呼吸を容易にする「Materialise NIP(non-invasive PEEP mask)非侵襲的PEEPマスク」コネクタを開発した。

世界中の医療機関において人工呼吸器の供給不足が深刻化しており、医療機関および関連企業は、新型コロナウィルス患者の治療に役立つソリューションを見つけようと努力している。医療用3Dプリント分野で長い経験を持つマテリアライズは、この課題に積極的に取り組み、3Dプリントされたドアハンドルアタッチメントや3Dプリントショッピングカートハンドル、空気ろ過と酸素供給を可能にするシュノーケリングマスク用3Dプリントコネクターなど、新型コロナウイルス治療に活用できる様々なプロダクトを開発し続けている。

マテリアライズは、呼吸器科医で呼吸器イメージング会社 FLUIDDA の責任者であるWilfried De Backer教授と共同で、人工呼吸器を使用せずに酸素を供給し、高い陽圧を生み出すソリューションとしてこのマスクを開発。3Dプリントされたコネクターは、ほとんどの病院ですでに利用可能な標準的な機器を、酸素供給に接続できる非侵襲的PEEPマスク(NIP)に変換し、新型コロナウイルス患者の呼吸を容易にするために用いることができる。このソリューションは、患者が人工呼吸器を必要とするまでの時間を延長するように設計されており、早期に人工呼吸器から外すのに役立ち、早急に治療が必要な重症患者へ重要な医療機器を解放することができるようになる。

マスクは、非侵襲的換気(NIV)マスク、フィルターおよびPEEPバルブなどの標準的な医療機器で構成されているため、医療従事者にとって扱い易く簡単に組み立てることができる。

3Dプリントティング技術は、医療機器の迅速かつローカルな製造を可能にし、病院へのソリューションを迅速にもたらすことを可能にするが、患者や介護者の安全を確保するためには、規制に準拠することが重要となる。マテリアライズは現在、規制登録(欧州と米国)を迅速に進めるのと並行して、新型コロナウィルス患者に対してその使用の臨床的影響をテストするための臨床試験をサポートしており、2週間以内に最初の結果が得られると予想。4月中旬までにこのマスクが病院内で利用できるようにしたい述べている。


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