緑内障治療用の3Dプリント・マイクロバルブ

緑内障治療のために開発された超高精密3Dプリント製マイクロバルブ・デバイス

メキシコの医療技術機器開発機関 Fundación Markoptic とメキシコの首都メキシコシティにあるメキシコ国立自治大学(Universidad Nacional Autonoma de Mexico:UNAM)の科学者およびエンジニアから構成されたチームは、超高精密マイクロ3Dプリンタを使用して、緑内障の影響を軽減できる直径300μmの3Dプリント・マイクロバルブ・デバイスを開発した。

世界保健機関(WHO)によれば、全世界で視覚障害があるとされる人がおよそ2億8500万人居り、そのうち450万人が緑内障のために失明していると推定されている。緑内障は、眼圧の異常な上昇により繊細な部分の視神経を損傷するもので、目の光感受性層である網膜から脳に情報を転送視神経が長期間に渡り損傷することで、徐々に視野が狭くなったり、視力が低下するなどの症状を引き起こす。

この様な状態に対処するためFundación Markopticの研究チームは、眼圧を下げ、より深刻な障害に発展するのを防ぐことができる直径300μmの複雑なマイクロバルブ・デバイスを開発。研究チームはこのデバイス開発のため、専門知識と設備を備えた Solabiones Nacional de SolucionesBiomiméticasparaDiagnósticoy Terapia(LaNSBioDyT)とのコラボレーションを開始。専門家等は、Nanoscribe社の超高精度の微細加工用に設計された世界最高解像度の3Dプリントシステム「Photonic Professional GT2」を使用し、緑内障治療用のマイクロバルブ・デバイスを製作。

緑内障治療用の3Dプリント・マイクロバルブ・デバイスは、飛行機の内燃機関に触発されデザインされた物で、液体排出用の出口を備えたバルブ構造、柔軟なスプリング、部品を一括して保持するバルブハウジングの3つのコンポーネントで構成されており、スプリング機能を利用して眼から房水を排出し、ガソリンエンジンの吸気バルブと同様の方法で一定の流量と眼圧を制御する。
従来の技術では、直径300μmのバルブ製作は困難であったが、Nanoscribeの3Dプリントシステムを使用することでそれを実現。すべての部品は個別にプリントされ、サイズと形状の要件に合わせて1つのコンポーネントとして組み立てられて機能する。

この革新的なマイクロデバイス製造が実現したことで、マイクロバルブの機能性と生体適合性のさらなる調査への道が開かれた。研究チームは、マイクロデバイスの実用化に向けたテストを開始するため、人間の目の特性をシミュレートできる人工角膜モデルの開発に並行して取り組んでいる。


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