インスタリム、3Dプリント義足事業をフィリピンで開始

インスタリム、新たな資金調達により世界初となる3Dプリント義足事業をフィリピンにて開始

3D義足スタートアップのインスタリムは、慶應イノベーション・イニシアティブディープコアから総額8,400万円を調達し、世界初となる3Dプリント義足事業をフィリピンにて開始する。


3Dプリント義足「Instalimb」

3D-CAD、3DプリンティングおよびAI(機械学習)技術を活用し、低価格な3Dプリント義肢装具を開発するインスタリムは、慶應イノベーション・イニシアティブ(以下、KII)およびディープコアへの第三者割当増資により、総額8,400万円の資金調達を実施。本資金調達により、フィリピンのマニラ首都圏で設立した現地法人を通じた世界初の3Dプリント膝下義足事業を本格開始するとともに、3Dプリント大腿義足などの新たな製品の研究開発を推進する。

インスタリムの義足製作は、多大な製造過程・設備コストや、患者個人に合わせて製作する義肢装具士の技術力が必要となるため、1本あたり30~100万円と高価であり、またその納期は通常2~3週間程度かかることが一般的である。そのため、新興国・開発途上国を中心に、そのような高価な義足を購入することができずに、社会参画が困難となっている方々が多く存在する。フィリピン1国だけにおいても100万人以上が必要な義足を手に入れられていないという実態がある。

インスタリムは、義肢装具製作専用の3Dプリンタ、独自アルゴリズムによる形状レコメンド機能などを備えた3Dモデリングソフトなどを含む、義肢装具のカスタム量産ソリューションを独自開発。これにより、従来の約10分の1となるコストダウン・納期短縮を実現でき、新興国・開発途上国を含む多くのユーザーに義足を提供することが可能となった。また、現在開発中のAIアルゴリズムを用いた全自動モデリング機能により、更なるコストダウン・期短縮を目指す。
本ソリューションは、フィリピン大学総合病病院と共同でフィリピンにて3Dプリント膝下義足の実証実験を行い、被験者50名に対する実生活試用などの各種テストや製造プロセスの検証を完了し、製品化準備を完了させた。

インスタリムは実証実験の成功を受け、5月よりフィリピンのメトロマニラ首都圏にオフィスを開設し、同地域での3Dプリント膝下義足事業を開始。今回の資金調達により、3Dプリント膝下義足の販売活動を本格化するとともに、3Dプリント大腿義足などの新たな製品の研究開発を推進。本事業を通じて、当社のビジョン「必要とするすべての人が、義肢装具を手に入れられる世界を作る」の実現を目指し、日本発の新しいものづくりの在り方を提案する。


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