デルフト工科大学がカスタムメイドの3Dプリント音響パネルを設計するためのデジタルワークフローを構築
オランダのデルフト工科大学(TU Delft)は、ベルギーの3Dプリントソフトウェアおよびサービスプロバイダー Materialise と協力して、カスタマイズ可能な3Dプリント製吸音音響パネルを開発した。
従来の手法から製造されたパネルは、効果的に音を減衰させるために必要な建築的な自由度やカスタマイズが困難なため、不快な周波数を打ち消すことが難しいのが現状とされている。この問題を克服するためデルフト工科大学の建築学科が率いる研究チームは、オランダ科学研究機構から資金提供を受け「ADAM(Acoustics by Parametric Design and Additive Manufacturing)」と名付けられたこの研究プロジェクトを開始。
ADAMの最大の目的は、特定の周囲の周波数やエコーを遮断するために空間に合わせて調整できる音響パネルを開発することにあり、3Dプリント技術は、設計の自由度が高く、従来の製造方法では実現できなかった複雑な形状のパネルを低コストで製造することができる点にある。
デザイナー、建築家、エンジニアが、音響性能に最適化されたカスタム3Dプリントパネルを作製するためのツールとして、デルフト工科大学の研究チームが独自のデジタルワークフローを開発。このワークフローを使用して設計されるパネル構造は、湾曲したパネルや自立型の形状に統合された一連のチューブで構成されており、特定の周波数を効果的に打ち消すための受動的破壊干渉を提供し、コンサートホールやスポーツ施設など、会場の美観を損なうことなく音響・聴覚体験を向上させることができる。
研究チームによれば、このチューブベースの設計は、重機や飛行機などから発生する低周波を遮断するのに最も優れた効果を発揮するという。
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