Ultimaker、2020年上半期に2桁の成長を達成

Ultimakerが2020年上半期で2桁の収益成長を発表

オランダを拠点とする3Dプリンタメーカー Ultimaker は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による影響を受け、多くの産業用3Dプリンタメーカーが収益減少に苦しむ中、2020年上半期で2桁の収益成長を達成したことを発表した。

2020年上半期において、全世界で前年比2桁の成長を遂げたUltimakerが発表した今回の数字によれば、米国内だけで30%以上の成長が含まれており、これは新型コロナウィルスによる製造ラインの混乱により、グローバルなサプライチェインからローカライズな完結型へのシフトが要因とされている。現地製造によるダウンタイムの削減、コスト削減は優先事項となっており、プロ仕様の3Dプリンタによる生産効率の高さが、より高い関心を集めるようになってきている。

プロ仕様向け3Dプリンタ市場のトップシェアを占め、現在も成長を続けるUltimakerは、アメリカに6つの新しい販売代理店を設けるなど、市場参入戦略を促進するためにAPAC(アジア太平洋)地域に新しい流通経路を開拓。 同社の掲げる顧客第一主義の経営方針と、ビジネスパートナーおよび顧客との良好な関係を維持するという取り組みが、リーディングカンパニーであることに起因していると言える。
加えてUltimakerは、継続的なビジネスの成長のために、2020年上半期に「Ultimaker Essentials」と「Ultimaker 3D Printing Academy」の2つのエンタープライズソリューションを発表。

「Ultimaker Essentials」は、3Dプリンタ全体のシームレスな制御と管理を可能にする革新的なソフトウェアプラットフォームを専門家に提供。一方「Ultimaker 3D Printing Academy」は、3Dプリンタを活用しようとしているメーカーとエンジニアのスキルギャップを埋めるのに役立つ新しい「eラーニングプラットフォーム」を提供しておりどちらの製品も、企業顧客向けの簡単で直感的な3Dプリントを実現するという同社の使命をさらに推進している。

UltimakerのCEOであるJos Burger氏は「2020年前半を振り返ると、これまでにない状況にもかかわらず、私たちの取り組みとその結果がプロ仕様の3Dプリンター市場のリーディングカンパニーとして市場を牽引できたことを誇りに思っています。 そして、今年の成功をさらに発展させることに奮起しています。 現在の製造およびサプライチェーンの状況は、パンデミックの影響により大幅に変化していますが、Ultimakerの成長と拡大は、業界が回復に向けて前進していることを示し、業界全体でプロ仕様3Dプリンターの導入が進んでいることを示しています。」と述べている。


Ultimakerベースの3Dプリントファームを開設したフランス陸軍

Ultimakerと対照的に、Stratasysなどの大手3Dプリンタメーカーは、COVID-19パンデミックの影響を受け収益が減少。Stratasysは、2020年第2四半期中に収益が28%低下。同社と並ぶ産業用3Dプリンタメーカー大手の3D Systemsも、2020年第2四半期に同様の収益の減少を受け、20%のスタッフ削減を発表している。ただし、すべての大手メーカーが収益の損失を計上しているわけではなく、SLMソリューションは、2020年上半期中に収益が90%増加したことを発表している。


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