無人潜水機等で使用する生分解性3Dプリント材料

米海軍が無人潜水機などに応用可能な海洋生分解性3Dプリント素材を開発

フロリダ州パナマシティを拠点とする海軍海上戦センター(Naval Surface Warfare Center)の科学者チームは、無人機や自律型無人潜水機(Unmanned Undersea Vehicle 以下 UUV)に適用可能な海洋生分解性3Dプリント素材を開発し、その特許を取得した。


Photo : Eddie Green/U.S. Navy

UUV(またはAUV)と呼ばれる水中で活動するロボットの多くは、回収コストの問題から、機能停止後は海底に沈んだまま放置されており、海洋環境の汚染に大きな影響を与えている。この新しい海洋生分解性3Dプリント素材は、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)などのポリマーの組み合わせと寒天ゲル化剤で構成されており、寒天ゲル化剤の割合を増やすことで、UUVの分解プロセスを加速する微生物や酵素材料を調整し、任意に設定された分解特性を有するよう設計することができる。


3Dプリント可能な海洋生物分解性材料の内訳

この素材を利用したプリントプロセス時には、材料内の微生物にダメージを与えないよう、3Dプリント温度を摂氏120度以下の比較的低い温度に設定する必要がある。

この素材を使用して3Dプリントすることで、造形物の劣化速度が細かく制御可能となり、UUVなどの回収コストを削減するだけでなく、環境問題にも対応できる。またこの素材は、軍事目的のための水中機器だけでなく、様々な商業用途にも応用できるとして期待されている。


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