英国の旅客列車に3Dプリント部品を採用

Stratasysとエンゼル・トレインズは、運用中の旅客列車に3Dプリント部品を適用

3Dプリンタメーカー大手 Stratasys は、1994年に設立された英国の車両運営会社(ROSCO)Angel Trains(以下 エンゼル・トレインズ)と、エンジニアリング・コンサルタント会社 DB ESG および英国の鉄道事業者のひとつ Chiltern Railways(以下 チルターン・レイルウェイズ)と提携し、英国内で運行中の列車に3Dプリント製部品を適用するトライアルを開始した。

今回開発された3Dプリント部品は、列車内のシートに設置される肘掛けとグラブハンドル(シート上部に取り付けられるハンドル)で、交換部品の調達プロセスの高速化やコスト軽減を目的に、チルターン・レイルウェイズが運行する車両に実際に適用される。
StratasysのFDM方式プリンタ「Fortus 450mc Production」と「ULTEM 9085」材料を使用して3Dプリントされた肘掛けおよびグラブハンドルは、難燃性と発生煙の無毒性に関わるテストに合格し、英国鉄道業界標準の「EN45545-2」に準拠した最初の3Dプリント素材として認められた。

航空機などと同様、運行期間の長い旅客列車において、運用開始から数十年を経過する古い列車部品の調達に大きな課題を抱えている。例えば、今回トライアルが実施される列車のグラブハンドルの場合、既に交換部品が廃盤となり、仕入れ元のサプライヤもこの数十年の内に廃業してしまった。
交換に必要な廃盤部品を調達するために従来の製造方法に頼った場合、最大で15,000ポンド(約200万円)の費用と2ヶ月半に及ぶリードタイムが必要とされるが、3Dプリント技術を利用した部品は金型等を必要とせず1個単位から造ることが可能なため、列車メンテナンス時に必要なダウンタイムを短縮し、コスト削減にも貢献できるとして期待されている。実際に今回の試験運用のために適用された7つのハンドル部品は僅か3週間で完成し、同じく適用された4つのアームレストも、通常工程で2カ月半を要する物が、3Dプリント技術によって僅か1週間で完成した。
今回のトライアルのために製造された部品では、リードタイムが94%短縮され、部品毎で最大50%のコスト削減に成功した。

Stratasys、DB ESGおよびエンゼル・トレインズは、イングランド西・南西部およびウェールズ南部の路線を運営する鉄道会社 Great Western Railway(グレート・ウェスタン・レールウェイ)で次なる試験の開始を予定しており、3Dプリントされた部品を今後数ヶ月に渡りテストする。


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