エス.ラボ、超大型3Dプリンタで高さ2.8mの造形に成功

国産3Dプリンタメーカーエス.ラボ、3m超の造形に対応した超大型3Dプリンタを開発

国産3Dプリンタおよび工作機、ロボット開発・製造を行うエス.ラボは、造形サイズ横3m×奥行3m×高さ3mの超大型ペレット式3Dプリンタ 「茶室(開発名)」を完成させ、高さ2.8mの造形に成功したことを発表した。

エス.ラボは、茶室を利用して、慶應義塾大学SFC研究所ソーシャル・ファブリケーション・ラボ、デジタルファブリケーションスタジオの積彩(以下 積彩)との共同製作により、高さ2.8m×幅1.2m×奥行き1.1mとなる大型プラスチック製ベンチの造形に成功。茶室によって24時間で造形されたベンチは、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス内に仮設置され、試験的な利用も行われている。

エス.ラボは、2013年からプラスチックペレットを原料とする大型かつ短時間で造形が可能なペレット式3Dプリンタを開発し、特許を取得。2019年からは「GEM(Granule Extrusion Molding)」シリーズとして販売。
プラスチック樹脂を用いた材料押出方式3Dプリンタにおいて、最大造形サイズが2立方メートルを超える機種は世界でも数が少なく、今回の装置開発・造形は、世界最大級の事例となる。

今回の共同製作においてSFC研究所は、材料検証と造形試作を、積彩はベンチの3Dモデル設計と配色設計を担当。縦向きに印刷されたベンチは造形後に向きを変えて利用され、大人4人程度が問題なく座れる強度を持つ。3Dプリント時に意図的に配色をコントロールする事で、ベンチのまだらな色模様を作り出している。

今後は大型造形物の試作や形状確認のほか、今回のベンチのように最終製品として扱われるものを3Dプリントによって製作していく予定としている。


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