3Dプリント全固体電池開発のSakuuが総額6200万ドルを調達

3Dプリント全固体電池を開発するSakuuが総額6200万ドルの資金調達ラウンド完了を発表

3Dプリント技術を活用した全固体電池の開発を手掛ける米国カリフォルニア州の企業 Sakuu Corporation(以下 Sakuu)は、2022年までに第一世代の3Dプリント固体電池の実用化を目指し、総額6200万ドル(約70億円)の資金を調達。この資金調達によりSakuuは、第一世代の3Dプリント固体電池(SSB)の商品化と、第二世代の固体充電式電池(ASSB)やその他のアクティブデバイスを3Dプリントするための世界初のマルチマテリアル・マルチプロセス積層造形プラットフォームの市場投入を目指す。

独自のマルチマテリアル3Dプリント技術を活用した全固体電池の開発を手掛けるSakuuは、昨年、第2世代ASSBの初期デモンストレーションとして、世界初のフルセラミックSSBのプリントに成功。同社が開発するSSBは、現在のリチウムイオン電池と比較して、同じ体積で最大2倍のエネルギー密度と30%の軽量化が可能で、2023年には、第2世代となるASSB(固体充電式電池)の本格的な商業生産を開始する予定で、電気自動車やその他の機器へのSSBの導入の加速を目指すとしている。

モビリティの電動化や自動運転を見据えた次世代技術を開発する日本企業 武蔵精密 が出資するSSBメーカーであるSakuuは、バインダーとパウダーベッド3Dプリントを組み合わせた独自の技術により、同じ部品層内で複数のセラミックや金属を加工できるマルチマテリアルシステム「Sakuu AM Platform」を開発。このプラットフォームは、従来の電池よりも界面が改善され、セラミック層の強度が向上した蓄電デバイスと、大規模生産が容易なモノリシック層セルを3Dプリンタで製造することができる。同社は既に複数の電気自動車およびモビリティ分野の顧客から、画期的な3DプリントSSBの量産契約を獲得。高効率でエネルギー密度の高い同社の技術は、家庭用および産業用のエネルギー貯蔵、マイクロリアクター、民生用電子機器など、新たな市場への進出が期待されている。

SakuuのCEOで創業者のRobert Bagheri氏は次のように述べている。
「投資家の皆様の継続的なご支援に大変感謝しています。今回の資金調達により、世界初の真のマルチマテリアル・マルチプロセス積層造形プラットフォームの商品化、研究開発チームの拡大、先進的な材料や画期的なアクティブデバイスの開発継続など、重要な目標を達成することができます。当社は、パイロットラインをサポートするため、また、”Sakuú 1000 AM”プラットフォームの商業的な立ち上げに向けて事業を拡大しています。これにより当社のお客様は、画期的な製品を生み出し、複数のパラメータで業界をリードする性能指標を達成することができます。」


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