海事産業向けオフショアグレード3Dプリントコンポーネント

Keppel O&M、オフショアグレードの鋼コンポーネントを3Dプリントするための承認を取得

海洋、インフラ、資産運用などに特化した複数部門を有するシンガポールの複合企業 Keppel Corporation(ケッペル・コーポレーション)の海洋部門 Keppel Offshore & Marine(以下 Keppel O&M)は、シンガポールのナンヤン工科大学(以下 NTU)およびシンガポール科学技術研究庁の研究機関である(Singapore Institute of Manufacturing Technology 以下 SIMTech)と提携し、Laser Aided Additive Manufacturing(以下 LAAM)技術を使用して、海事産業向けのオフショアグレード3Dプリントスチール部品を生産する。

Keppel O&Mは、SIMTechのLAAM技術を活用して、海事産業向けの高価値スチール部品を3Dプリントするプロジェクトを開始。3Dプリント技術の活用は、長期的なコスト削減はもちろん、生産時間の短縮と製造に伴う二酸化炭素排出量を軽減し、プロジェクトをより迅速に効率的に完了することができる。

CNCをベースとしたLAAM技術は、高強度低合金鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン合金などの材料を高エネルギーのレーザービームを制御して堆積することにより、機械的特性、耐摩耗性、耐食性に優れた工業部品を製造することができる。

SIMTechのLAAM技術は既に海事産業に応用されており、LAAMプロセスを使用した新しい船舶用大規模構造物の製造とコンポーネント修理などを行っている。またNTUの研究チームは、SIMTechのLAAM技術で3Dプリントされた50を超えるオフショアグレードスチール部品の材料歩留まりや耐久性、靭性などのテストを実施。このテスト結果を分析した研究チームは、3Dプリントプロセスと材料特性が、米国材料試験協会(ASTM)A131仕様で設定された要件を満たしていることを確認。
その後、科学・工学の研究と教育に取り組む英国の慈善団体 Lloyd’s Register Foundation(ロイド・レジスター・ファウンデーション)が保有する船級協会 Lloyd’s Register Group Limited(ロイド・レジスター・グループ・リミテッド/LR)の承認を受けている。

世界最大の海事ネットワークを有する海事産業グループ Wilhelmsen のマリンプロダクツ部門が、船舶に供給されるスペアパーツを低コストで効率良く提供するためのオンデマンド3Dプリントサービスの本格的な運用を開始するなど、海事産業における3Dプリント技術の活用は今後益々拡大することが予想されている。
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