住まい問題に取組む国際NGOが手頃な価格の住宅を3Dプリント

米国の非営利団体、建設用3Dプリント技術を使ってアリゾナ州に手頃な価格の住宅を3Dプリント

デンマークの建設用3Dプリンターメーカーである COBOD は、世界70ヵ国以上で住まいの問題に取り組む米国の非政府非営利団体ハビタット・フォー・ヒューマニティ(Habitat for Humanity)とのパートナーシップを通じて、手頃な価格の3Dプリント住宅の建設を開始した。

Photo : COBOD

ハビタット・フォー・ヒューマニティーはその活動の一環として、アリゾナ州フェニックス都市圏において、拡張性があり手頃な価格の住宅不足が深刻化しており、この重要な問題に対処するための革新的な方法を模索し続けてきた。COBODとハビタット・フォー・ヒューマニティーは、パートナーシップを通じて3Dプリント技術を用いた安価な住宅建設計画を展開。

この課題に対応するためハビタット・フォー・ヒューマニティーは、ドイツに本拠を置く型枠および足場シス​​テムの世界最大メーカーの1つである PERIGroup と協力。PERIGroupはこれまでに、COBODのモジュール式3Dコンストラクションプリンタ「BOD2」を使い、3Dプリント住宅や商業施設まどを建設した経験を有している。今回同じCOBODの建設用3Dプリンタを用いて建築される予定の戸建て住宅の居住空間は床面積160平方メートルで、アリゾナ州テンピにある Candelaria Design Associates, LLC が設計を担当。今年の8月から9月にかけて入居開始を予定している。
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ハビタット・フォー・ヒューマニティ・セントラルアリゾナの社長兼CEOであるジェイソン・バーロウ氏は「アリゾナ州が抱える住宅問題を考えると、手頃な価格の住宅購入ソリューションの必要性は明らです。」と述べており、PERIグループのイノベーション&マーケティング担当マネージング・ディレクターであるトーマス・インバッハー氏は「2020年、PERIはCOBODの「BOD2」3Dプリンタでドイツ初の3Dプリント住宅を実現し、その後すぐに欧州最大の3Dプリントアパートを建設しました。テンピでの3Dプリントプロジェクトは、我が社のサクセスストーリーをアメリカで継続するものであり、ハビタット・フォー・ヒューマニティのためにこの住宅をプリントできたことを非常に誇りに思っています。」と述べている。

また、COBODの創業者兼ゼネラルマネージャーのHenrik Lund-Nielsen氏は次のように述べている「当社の建設技術と3Dプリンタは、欧州、アフリカ、中東、アジアで大きな成功を収めています。もちろん、GEとの長期的な協力関係のおかげで米国のお客様にも一定の成功を収めています。しかし今回、当社のプリンタが米国の建設市場に本格的に進出し始めたことを大変喜ばしく思っています。私たちの技術が、地元のサプライヤーが提供できるものよりも優れていることを理解する米国企業が増えていると感じています。現在当社の3Dプリンタは、米国の2つの州で建築物を施工しており、今後数ヶ月のうちにさらに増えていくでしょう。」


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